2024年2月13日火曜日

利他性

 「なぜヒトだけが老いるのか」東大教授 小林武彦氏の著書には、ヒト以外の生き物に老後はないと記されています。

 哺乳動物の老後期間は、大型霊長類のゴリラやチンパンジー、大半の生き物の寿命において、生殖可能年齢と一致するのだそうです。

 例えば、ヒトと遺伝情報・ゲノムが99%同じのチンパンジーの寿命は40歳程度で、彼等は生涯出産も可能です。よって老後というものはないのだそうですね。例外として、シャチとゴンドウクジラには老後期間があり、母親をおばあちゃんが助けるそうです。子育て経験のあるおばあちゃんが子育てに参加することが知られている・・・私66歳も、37歳の同居娘をフォローして、7歳になる孫に全力投球するジイジです。

 要するに、ヒトと一般的な他の動物とが決定的に違うのは、社会性を備えた生き物であるという点。ゴリラもチンパンジーもグループまでは作りますが、目的は生殖のみ。一方、ヒトは本来、家族を単位とした集団で暮らすことで、多くのメリットを享受してきたと、小林氏はいわれます。

狩猟採集民だった太古から、集団の中で長老は、獲物や果物を収穫できる時期と場所を熟知していました。

稲作においても、集団による耕作の知恵の集約、伝承はとても大切でした。

 長老がいることによって、集団の競争力が高まったのです。

 集団の規模が大きくなると年長者を許容するキャパシティが増し、ヒトの寿命に正のスパイラルが発生し、寿命はだんだんと延びていったそうです。

 社会集団において、何らかの役割を果たしているという意識が、もっと長く生きようというバイタリティーをもたらす。

 年長者の中には、集団のメンバーに知恵を授ける一方で、地位にしがみつく人もいる。メンバー間の利害を調整したり、若い人を指導したり、集団にとって有益な行動をとる人を「シニア」と、この著書では位置付けられています。

 こうした「利他性」がシニアの大きな特徴とのこと。利己的な利己性と違い、利他的な行動の出来るシニアが必要なのが、ヒトの社会では?

 自身の経験を生かして、若い世代のためにひと肌脱ごうという心境に至るには、一定の老いが必要だと。

 老いは、いいシニアになるための準備期間だそうです。

 小林氏は、この老後のヒトの特徴、利他性を生かすためにも、企業・集団の「定年制の廃止」提唱へとつなげられています。

 愛知県土地家屋調査士会の会員数は1050名をきり、大阪会900名割を追いかける状況にあります。

 

 重大な事を、ブログ内でサラっと書きます。大変、失礼かもしれませんが、ジワ〜っとお伝えしておきます。

    西本孔昭 元連合会会長 元愛知会会長が、業歴61年目にして退会届を提出されました。

 

 この数年、70歳古稀を迎え、この節目を機に退会される先輩会員さんが増えています。現職で亡くなられる先輩会員もいらっしゃいます。

 

 平成29年、今から7年前から、此の状況に合わせた愛知会会費の応能による値上げを行いました。平成21年に、昨年亡くなられた斉藤忠 元愛知会会長が、いつか会費と会員数減少をどうにかしないといけない、と言うレポートを残されたのがベースでした。

この集団がこの先、競争力を高く持ち続ける為、令和6年以降も、梅村会長以下、現職の役員さんのアシストを、私も専ら務めてまいります。

 現役で土地家屋調査士を続け、この先も老後にあらがい続けるヒトとして、細胞の機能低下、DNAの崩壊が一定レベル迄、達していくその間は、第一線にいるつもりです。

 強いて言うならば、同輩、そして私よりも先輩のシニアの皆さんも、あらがい続けましょう。利他性を持ちながら、集団に参加し続けていきましょう。

2024年2月3日土曜日

所有者不明土地の追跡

 登記簿に記載された土地所有者の居所、国調、地籍調査の調査の入り口です。

 ここで国交省が、登記簿からでは2割が所在不明と騒いだ訳です。

戸籍や住民票といった登記簿以外の客観的情報調査。更には、現地に出向いて、自治会長、民生委員、近隣住民への聴き取り調査をして、誰が管理し、どのように使用されているかを調べます。

 家屋があれば、水道料金等、公共料金の支払いデータも重要となります。

 そして、所有者の相続が生じていた場合は、相続人の追跡です。

任意の1人に、法務局へ登記を促す通知をすることも、既に相続未了30年以上の土地に関して、昨今の所有者不明新法により、手続きが始まっています。

附記登記も付されるようになりだしましたね。

 

 このような、隣地地権者調査ノウハウは、日常の土地家屋調査士の想定の範囲内のものですが、貴方はどこまで追跡されていますか?

 久しぶりに、顧問という立場から愛知会会員の皆さんに、普通のこととして職務上請求を用いた隣地地権者の住所追尾。そして相続人確知を、もっと当たり前の仕事として、やってもらいたいと思います。

逃げてはいませんか?

 先般、愛知会の理事会に出席する機会をいただき、理事さんからのまさかの発言に、思わず、駄目出し発言を返してしまいました。

 隣人がみつからなくて立会不調となるケースでは、宅建業界の方に、土地家屋調査士の立場も考慮してもらい、そのようなケースの多いことを、もっと理解してもらおうとの理事会協議事項。

 皆さんは、宅建業者に負けてはいけません。

伊藤直樹は宅建業者でもありますが、売買物件の場合、売買契約書において、官民、民地との立会確認を、どこまでの条件としているのか、越境は工事解消で処理まで求めているのか、解消出来ない場合、数cm()分筆して、そこは売買対象からはずした場合、元々の土地地積から減っても、買主は例えば建築しようとする容積率を満足出来るのかどうか・・・契約条項、買主の意向を、土地家屋調査士は識るべきなんです。

 その上で仕事をしましょう。

 

 所有者不明土地には、不在地主、移転先住所不明だけでなく、相続発生、法人の廃業や清算結了といったケースもあります。

 そして、当事者のご意思で境界立会拒否を選択される、それなりのお考え方の隣人も、少なからずおみえです。

 でも、負けずに、土地家屋調査士はアタックしていきましょう。

 立会の上で、ご理解いただいて、境界標識を設置することが第一義です。

筆界を特定したとしても、近隣の安心は、平和で安定的な相隣関係は得られる訳ではありません。

 所有権界、占有状況の確認なくして、筆界による境界標識設定は、後日のトラブルの温床となります。

    以上、私の私見です・・・では済まされません。 

2024年1月29日月曜日

愛知会理事会 1月26日

 土地家屋調査士、愛知会の拡大理事会+支部長会意見交流の場に、顧問として出席する機会を頂き、新しい部員さんが各部で頑張り、毎月、少数の選抜理事による会務の倍速執行が挑戦中である状況を拝見することができました。

 60名近い参加者が、全員自ら発言することは難しいところ、担当副会長によるアトランダムな「ご意見ありますか?」のフリで、多くの若い方達にも発言の機会が与えられ、生の声を聴くことができました。

 昨今、ChatAIによって、長い作文、文章起案が出来ることが話題となっていますが、生の討論をしている最中は、AIは無関係です。

 

 率直にいって。

 

 若い役員さん達が弱気です。

 愛知会で越境処理に関する取り組みは日常茶飯事であって、全国の他会状況とは格別に、発注者、ユーザーからの当たり前の要求もあり、逃げることは出来ません。

 それなのに、隣地との立会が不調となるケースを、宅建業者・発注業者の方々に理解いただけるよう、全宅連や全日の役員さん方に申し入れをしては、という理事提案の説明に、正直、私はものすごく残念に思いました。

 その場でそのように、挙手をして意見を述べさせてもらいましたが、十分に参加した役員さん達に伝わったかどうか?

 まして、役員さん以外の1050名会員も(私見ながら)、宅建業者に一方的に言われっぱなしの状況から、契約書を作成する前から、­土地家屋調査士の事情というものを、仲介宅建業者に理解してもらうくらいの交渉力を、皆が持つべきだと言いたいです。

 私自身、ご存知の通り、永く宅建業をやっています。不動産取引が楽になる為の測量時の処理対応という立場ではなく、境界、筆界と現実の所有権界、越境処理の必要性についても、宅建業者側も、私達土地家屋調査士側も、もっと考えるべきです。

 売主と買主ファーストなんです。

 売主は、少しでも、減歩、越境工事費用負担をかぶりたくない。

買主は、越境によって、購入し、エンドユーザーへの完成物件に支障がないようにしたいし、エンドユーザーであれば更に、越境の状況次第で、隣人との日々のお付き合いが円満であることを最優先したい。

 その最前線にいるのが、私達です。

 私は常に、登記完了証の為に土地家屋調査士は仕事をしているのではないと、語ってきました。

 登記が終わっても、完了しても、地積更正登記が出来たとしても、相隣にキズが残るような仕事はアウト・・・それが土地家屋調査士のミッションではないでしょうか?

 

 役員さん達は、この先の愛知会1050名、ゆくゆくは誰かが全国16000名余の土地家屋調査士業界を担う一人です。

 弱気発言は嫌いです。負けずに頑張りましょう。

  

2024年1月25日木曜日

1月12日官報

 能登半島地震に係る石川県及び富山県に納税地のある個人、法人には、国税庁が税制上の措置を発表・告示しました。

 まずは、申告・納付等の期限が、全ての税目について延長されます。

いつまで延長するかについては、被災者の状況を配慮し検討とのこと・・・ですから、少なくとも3月15日の確定申告期限はフリーでしょう。

 又、今回の被災により、相続税は1月1日の震災当日から10ヶ月前の令和5年2月28日以降に相続の発生があった方。贈与税にあっては、当然、令和5年1月1日以降の1年間分の受贈者が対象となり、別途、国税庁告示により定める日まで延長です。

 災害発生日の翌日から10ヶ月を経過する令和6年11月1日まで延長され、且つ、被相続人ではなく、相続人の内の1人が被災指定地域内の住民なら、他の相続人等全員が延長可となります。

 1月18日現在、特定地域は「石川県内全域、富山県氷見市、小矢部市、及び、新潟県新潟市」です。

 総務省も又、16日に、固定資産税の取扱に係る通知を、各自治体に出しました。本来固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋、償却資産の所有者に課税しますが、今回は、まず1月1日中に滅失(全壊のみか半壊も含めるかは不明)した家屋に対しては課税しない。又、1月2日以後に滅失した家屋には、減免対応をするようです。土地についても、1月1日に生じた災害状況によって、各筆毎に補正できるようです。

 土地家屋調査士として、一つの知識として、この賦課期日について、真剣に考えさせていただきましょう。

2024年1月23日火曜日

令和5年度合格発表・・・石川の方は?

 令和6年1月10日。筆記試験合格者受験番号が発表されています。名古屋法務局管内は70名のようです。

 本年1月25日(木)に口述試験が行われますが、「1月1日発災の能登半島地震の影響により、1月16日までに、対象者に、口述試験受験票が到着しなかった場合、又は、公共交通機関の運休等により名古屋まで来られない場合、名古屋法務局総務課迄、問い合わせ願います。」と法務省から案内されています。

 管内の試験会場を1カ所にするという措置に対し、現在の受験者数減では、何も言えない私共の業界です。

 同じく法務省資格、司法書士の最終結果は、令和5年11月29日付官報で発表済みですが、695名。受験者は13,372名で、合格率は5.19%。出願者数は16,133名。

 かたや、私共の業界の令和5年出願者数5,417名。

 比率で約3倍。それで合格率は10%相当となると、とても15会場へと増やしてはいただけないでしょう。

 

 かつては全国、調・司共に50会場でしたが、もう過去の事です。

 今回のような天災があろうとも、今後も8管区+那覇会場、9会場での開催です。

 改革できないものか・・・。

 

2024年1月17日水曜日

忠犬ハチ公

 日本犬には6種しかないそうで、柴犬、秋田犬・・・あとはよくわかりませんが、「あきたいぬ」、この大型犬が昭和6年7月に、国の天然記念物に指定されています。

 毛色が、白・黒・赤?・胡麻・虎・斑…。

 かつてこの秋田犬は日本オンリー…。なのに今では、アメリカでの出産数が日本をはるかに超えています。

 私も7年前に飼っていた愛犬を亡くしましたが、犬は大好きです。

 プーチンに贈られたのが不本意ですけどね。そんなペット好きな人が、とても淋しい時、楽しい時、ペット達とはどう付き合うのでしょうか?

 

 改めて人間同士、身内、甥姪も大切です。血のつながっている身内は相続権者でもあり、被相続人の緊急手術において同意者にならなければならない大切な人です。

 

 土地家屋調査士として相続未了と出会ったら、どんどん相続手続を進めていただく運動!! しませんか?

 

 私達は司法書士と同様に、相続戸籍収集の職務上権限があるんですよ。むしろ司法書士は隣地の戸籍はとれない・・・調査士しか、隣地の相続未了の世界へ入れないんですよ。

 

 ・・・・・自分としても、このような私共会員向けの、やるべき事アピールがわかっていただけないのであれば、そろそろこのようなブログ…引退なんでしょうか。

 

 相続登記の義務化が4月から始まります。直接、依頼者へ司法書士が促します。が、土地家屋調査士は、隣地に声がかけられます。

 この点をもっとアピールしてはいかがでしょう。

 

法務局の忠犬ではなく、この国の所有者不明土地対応の忠犬として、運動をしてまいりましょう。

小さな声ですが、大きな意義がある筈です。

2024年1月11日木曜日

令和6年 第一声

 辰年は龍年。新年を迎えた瞬間、本年1月1日、16時に能登半島震災が発生し、この天災に続き、翌日、人災による羽田空港衝突が伝えられました。

 天災と人災。ヒューマンエラーもあり、輪島朝市火災現場の道路事情、旧耐震家屋の街並み。

 東南海地震を予期した、これまでのあいち境界シンポジウムの学習も、現実の発災の前に、全く何も準備も出来ていない私達業界の状況を思い知らされている今です。

 ここ数年間、土地家屋調査士業界で、社会貢献が出来るところから、やれる事を始めようと訴えてきた自分は、その責任を負う一人だと思っています。

 しかし、何ひとつ出来ないのです。

 NHKテレビの日曜討論で某党首が、土地家屋調査士さんやG士業さんの方々に、倒壊・罹災した家屋の被害家屋認定を行い、罹災証明の発行を手伝ってもらう事、建物の危険度認定を行う事…、やってもらえる筈と。

 被災者の生活再建の為に、1.6万人で何か出来る事がある筈だったのに、全く何の準備、支援が出来る体制迄には到っていなかった事を、当時、言うだけ言っていた者として、ここにお詫びさせていただきたいと思います。

 自分自身が、愛知会で。又、連合会社会事業部担当責任者として動き、愛知県との間にて、被害家屋認定の支援をする業界であるとして名乗り、協定締結迄したものの、全国組織としての今回、中部ブロック・北陸3会への支援のルール、対象者としての声がかりも何もない。現実は有言不実行そのものです。

 申し訳ありません。

 伝聞によると、対象地区の法務局官舎は、初日から、その地域の避難されてこられた方々が300名?余、頼りの場とされているとも。行政の方々は、好むと好まざるとに関係なく、最前線です。

 今回は、地元、そして国からの指示もあり、個人的な物資の支援、被災地域へのボランティア参集も、拒否されています。物資は届けられないので、献金のみが、私達に出来る事のようです。

 最たる罹災地域に業界の同輩がおられ、今、どのような状況なのかも、何も知る術がなく、又、何も出来ない私達です。

 本当は、困ってみえる全ての現地の方の支援が最優先。そして次順位としてでも、同輩の方々の金銭的支援が、愛知会本会、又は連合会から、もう、今日にも明日にも、始められるものと察しています。

 その時、みなさんも、…されますよね。