2018年3月30日金曜日

総会シーズンを迎えます


名古屋法務局の管区は、

愛知・岐阜・三重・富山・石川・福井の6県です。

 

名古屋国税局は、

愛知・岐阜・三重・静岡の4県であり、

税理士会は、名古屋税理士会と東海税理士会で、

微妙に入り組んだエリア分けとなっています。

 

次年度の愛知県会の総会を5月25日に開催するところ、

当然に他の単位会、そして他士業の総会も、全て同時期に集中します。

日本土地家屋調査士会連合会の中部ブロックは法人格をもっていないところ、名古屋管区に対応して、管区内の6県を順に、ブロック総会会場として設営し、ありがたく管区法務局表彰をうける場となります。

 

今年は、7月6日に富山市で開催されます。

受賞候補者の方々。交通費をご自分で支払い、2日間かけて越中までお出掛けいただけますでしょうか。

役員としては、悩ましいシーズンです。

 

そんな中、考えさせられるニュースがありました。

愛知・岐阜・三重・静岡&長野・・・国交省の管区です。

3月26日、国土交通省中部整備局と管内の5県(愛知・岐阜・三重・長野・静岡)3市(名古屋・静岡・浜松)は、土木学会中部支部、地盤工学会、砂防学会、地すべり学会の中部、信越支部等、4学会との間で、災害時の相互協力広域協定を結んだと発表。

地震や豪雨などの災害発生時に、互いの要請に基づき、行政機関側からは被災状況を、学会側からは応急対策などを伝え、復旧や防災技術向上に役立てるとしています。

(中日新聞 3月28日朝刊)

 

南海トラフ。巨大地震発生確率が10年以内に、マグニチュード8以上、20%程度から、20~30%へと急上昇。

誰と何を打ち合わせる時代なのでしょうか。

他会の土地家屋調査士会会員にも声をかけてみます。

2018年3月23日金曜日

街の再生投資の曲り角


 日本経済新聞の3月21日朝刊にて、「官民の市街地再生事業は本来、旧市街地密集地区の複合施設、店舗、広場へと刷新する筈だった・・・・。

 今、本来の目的が薄れてきている。これは、住宅の過剰供給源となり過ぎ」と指摘。

 1969年に市街地再開発法は制定され、主要な駅前の、密集した古い木造住宅や商店等の都市機能の向上再生をはかってきたところ、ここへきてあまりにも住宅偏重・タワマン頼みとなり、新たな都市問題の発症として、人口減時代にあった都市整備の手法を操る時期にきていると注告されています。

 

土地家屋調査士は、市街地再開発事業には、大きく関与しています。私自身も、ここ数年間、数件の大型プロジェクトに関与してきましたが、先般来より防災の観点で、旧市街地の狭あい道路解消を愛知県土地家屋調査士会の最重点テーマとして勉強した際、日本の国土交通省の社会資本整備交付金を、結局、狭あい道路のように、各筆の個人地権者の承諾、了解を拠り所とするような面倒な行政予算取りは、各地方の市町村吏員の方々にとって実績につながらないため(私見です)、区画整理事業のように、目立つ長期事業。又はこのような市街地再開発プロジェクトに傾注してしまっている現実を学びました。

 2月21日に当会定例研修会において、狭あい道路に係る講演パネルディスカッションを実施させてもらいましたが、岡崎市、春日井市の登壇いただいた吏員の方々にも、あらかじめこの件をうかがってみました。

 目立つ事業に優先的に行政投資が偏き、本当に大切な狭あい道路の解消には税金は使われていない・・・。同感されていました。

 日経は、本来の再開発事業が果たしてきた複合施設創造が陰をひそめ、正直、不要なタワマン的住宅を、税金投入補助金頼みにて大量供給させてしまっているといいます。

 かつての商業施設・出店意欲やオフィスの飽和による本来の再開発ビルは地方都市駅前には換算が期待できず、つくれば売れるであろうタワーマンションへと、それこそ衣替えしていっているのです。国の補助金が、住宅の大量供給を後押ししていきます。補助金はマンションの区分所有部分には出ません。既存建物の取り壊し費用や、公園など共用部工事費が対象です。

 ただ、補助金によって、結果としてはマンションの分譲価格は下げやすくなり、供給戸数を増やせば開発費用は回収しやすくなる。

 川崎市中原区。昨今有名な武蔵小杉駅前では、タワーマンションが続々と建っています。

 

日本は、人口減少時代に入りました。

住宅の大量供給は、いずれ行き詰まるとわかっていても、私共土地家屋調査士は宅地供給、新しい住宅、共同住宅の供給に関与しながら、生計をたてているのも事実。

 空家問題?私見ですが、空家バンクは逆行であり、昭和56年5月31日以前の旧耐震の住戸は全て解体すべきと、確信しています。防災上、古家を安く賃貸することにより、次の天災時に被害予定者を増やすだけ。何故わからないのでしょうか。

 そんな中、老朽RCマンションの出口戦略は、全くこの国では成功例をみていません。

 建替区分建物についても、これからの土地家屋調査士は、専門家として、進言していくだけの学習が必要です。

 これまで、登記をするだけで生計をたててきた歴史に、ひとつ、踏ん切りをつけるタイミングがきたと私は思っています。

 持続可能で魅力的な街創り。本当に必要な再開発と、既存密集市街地の防災上整備・・・

 土地家屋調査士からしてみれば、狭あい道路からの発信は、大きな使命であることは間違いありません。

狭あい道路解消に向けた、私達に出来ることは何だろうか?真剣な意見交換は必要です。 

6月7日、新年度の定例研修会にて、このテーマ、早速取り組みを始めます。第一弾の研修会として、準備に入ります。

2018年3月15日木曜日

遺言書の保管等に関する法律(案)


 今回の民法相続編の改正は、40年ぶりです。今、国会にて成立予定です。

 私共土地家屋調査士には、直接関係は薄い遺言作成について、法務局が新たな仕事を抱え込むことになります。昨年5月にスタートさせた法定相続情報証明制度どころじゃない、大仕事です。

 公正証書遺言を作成することが万人に普及しないのならば、平易に法務局に自筆証書遺言を預け、全国どこの法務局からでも画像で保管する。

遺言画像データを原本証明してもらい、家裁をはさむことなく銀行預金や不動産名義変更を、この新方式の自筆証書遺言に基づいて遺産整理を行うことができる。

 

公正証書遺言作成と、どこが違うのでしょうか?

 

~ 内容を覗いてみましょう ~

●「遺言書保管所」=法務局

  法務事務官が「遺言書保管官」となり、事務処理にあたる。

● 遺言書の保管を申請したい者は、その住所地もしくは本籍地、又はその者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局に対して申請をしなければならない。

  しかし、遺言者が既に作成した他の遺言書が法務局に保管されている場合には、その法務局に対して申請することになる。

● 相続人等は、自分に関連する遺言書を法務局が保管しているかどうか、保管している場合の法務局の名称などを証明する書面を請求する場合、遺言書に係る画像情報等を証明した書面を請求する場合は、現に遺言書を保管している法務局以外に対しても請求することを可能とする。(但し、遺言者の生存中は不可。遺言書の閲覧請求だけは、当該保管法務局のみ)

● 保管するときの申請費用。閲覧や証明書交付請求には、別の政令で定める手数料を、収入印紙を貼って納める。

● 遺言書の紛失が防止できる。保管所に存在していることを把握できる。法務局事務官が遺言書の適合性を外形的(?)に確認した上、遺言書そのものを画像データ化して保存する。従来必要だった家裁の検認は不要。→法務局は、閲覧等、又は画像データの交付請求人以外の相続人に対し、遺言書を保管している旨を通知しなければならない。・・・・とすると、これで相続手続は円滑化??

  その内容、中味については、法務局が外形的な条件充足の確認までしかしていただけませんから、誰が指導支援するのでしょうか?

今後の行方がとても心配な制度の導入です。

2018年3月7日水曜日

わがままな話を、ひとつ


 過日、名古屋北支部の元支部長。公嘱協会の副理事長を務められた私の最も大切な恩師、筧久俊氏のことを書かせてください。

筧先生は、平成291121日。満69歳にて永眠されました。

昭和46年に法務局の仕事を経て、筧事務所を開業され、平成16年より、イデアの名にて数多くの仕事を片付けられてこられました。若い会員の方々にはイデアグループとご紹介した方が分かり易いかと。

 久俊先生とは、地元の先輩でもあり、昭和58年開業の若僧、伊藤直樹26才は、当時の成沢千勝元名誉会長が会長をなされていた頃にて、例えば赤坂操本局支部長(元公嘱協会理事長でもあられます)の指令のもとに、厳しく報酬額指導が、各支部毎に行なわれていましたが、そんな折に初めてお話しする機会を得ました。

 

ご本人の名誉の為、先輩が指導に呼びだされた訳ではありません。そして直樹は、見事、呼び出され、叱られました。叱られること自体、当時、意味がよくわかりませんでした。年間500件以上の年計報告書を提出したところ、いかにこのようないい加減な業務処理をやっているのか!と、支部役員の方々からの教育的指導。

年計報告書、領収書控綴り、事件簿をならべた事務局の机を前にして、ほぼ土下座状態の私・・・。

その指導中、「直樹君。仕事はやれるだけ頑張れよ。事後処理は又、教えてあげるから。」と声をかけていただいたのが、当時、区分登記受託もガンガンされていた筧先輩でした。

 

 報酬額が自由化となった平成14年。先輩は、愛知県内でも一早く法人化を選択され、「直樹はどうするの。」と声をかけていただきました。2回目の副会長へと戻る気はないかと中原元会長にお声がけいただいたのも、翌年のことでした。

 15年以上前に行なわれていた全国の土地家屋調査士の報酬額指導は、全くの私見ですが、かなり業界のひとりよがりだったと今でも思います。わかりにくい話ですが、自分は30才前後、100件でも200件でも測量の現場にかけつけていました。土、日。年末のおおみそかも、雪上のお寺と、墓地を区分けする為の名古屋市内:確定測量へと取り組んでいたものです。

 土地家屋調査士として全力投球していることが、何故、支部長や成沢会長に怒られるのだろう。時は、バブル。昭和の代の末から平成初めにかけて、市街地の確定測量の処理については、隣地との境界確定の説明上、坪50万、150万、1000万、5000万+α・・・という平成30年の今では、理解不能の地価を説明する必要を迫られていました。

 現在、報酬の維持、いや報酬アップに向けて、報酬額を監督官庁から隣有地権者と決めつけられない以上は、報酬自由化となって、既に15年以上経過しました。

 この報酬について現在では、低廉化、ダンピング等、マイナス面が見受けられる中で、筧先生はいつも法定報酬時代の請求根拠をもとに、きっちりとした報酬をもらわないといけない、と繰り返しつぶやいておみえでした。

 

 かつてお叱りをうけていた私だからこそ、会長として、報酬に関して機会ありごとに発言していきます。

 

 昔のように筧先生からの助言をいただくことは出来なくはなりました。昨今の市況は、想い出に浸っているだけで打開出来るような状況ではありません。

 

他にも、この1年余に先輩会員の訃報に接します。

その中で筧先生からいただいた「前向きに取り組め」という言葉を私なりに継続していくことが務めであると認識し、すべての方々のご冥福をお祈りしています。