2023年10月16日月曜日

REIT立会

 米国の不動産王、サミュエル・ゼル氏が本年5月18日に81歳で死去されていたとの事。株のバフェット氏(バークシャー社)や、日本の孫 正義氏の投資ファンドSBIHD。私 伊藤直樹は全く投資については不知。ほぼ、やっていませんが、相談はよく受けます。

 不動産の話です。ゼル氏は別名「墓場のダンサー」。ご自身で名乗っていたそうです。かつてのアメリカ不動産不況期に、死人を生き返らせる=破綻物件を覚醒させた上で即売却。日本には、そのような脈がオリックスの宮内氏に…あったような気がしましたが、結局、スーパースターは現れることなく、逆転ホームランのないままに、この30年間の不動産低成長を経験した上で、今。

 今、再び、かつてと比べれば本当に大したことではないのですが…バブルとか言って、日本の大都市の極所において不動産が注目され、土地ころがしまで行われていますが、愛知の地元調査士のみなさん。この波に溺れないように!

 ゆっくりとした売り、買い…の世界ではありません。A→B→C、三為(さんため)契約なる、かつての中間省略登記手法が普通に行われている昨今、土地家屋調査士の確定測量図の納品先、又、最終買主の境界確定方法、取り扱いが、業務終了後に再度、難易度を上げて、土地家屋調査士に要求されることも、ママあるようです。

 みなさんは、隣地土地所有者がREITであった経験はありますか。登記上は信託銀行への信託という形がほとんどです。○○信託銀行と立ち会いをするのですが、その向こうにREITという投資法人の意向があります。

 隣地、当該地に相続が発生していたり、共有者の立会が一部の人だけ…の場合、隣地REITは、街区全体の境界確定を求めもします。要は投資物件のリスクヘッジです。

 

 日本に不良債権処理の救世主として採用したREIT法。2001年9月です。あれから既に22年が経過しました。REITが隣人の際に、土地家屋調査士はどうしたら良いのか…普通にやれば良いのです。

 ・・・しかし、投資不動産の世界に、重要事項説明資料の一環として組み込まれる、私共の確定測量成果図書に対するリクエストは、先にしっかりと聞いておきましょうね。後出しジャンケンで、先行見積もりはともかく、一度、印鑑をいただいた隣地地権者の方から、再度、過度な細目まで相隣関係に係わる合意書、確認書…中には一方的な承諾書のとりつけを平気でREITは要求してきます。

 私達は一人一人では弱い。

 その為にも愛知会本会は、少々の揉め事があっても、必ず相談にのってくれます。素晴らしい本会事務局のスーパー専務が、まず居てくれます!

 それでも難しければ、本会歴任の現職と、およばせながら小生伊藤直樹が、必ず1060人の仲間が非道な要求を受けた際の対応協力、いたしますって。

 

 この顧問ブログを視ていただける方は、既に、協働会あいチャンネルLINE登録はお済みでしょうか?

 このLINE内のやりとり、現在で週に10±αはあります。勿論、私も参加しています。傍観者でも結構ですが、まずはLINEでつながっていただく必要があります。

 詳しくは会務通信(会報)の協働会ニュースの紹介を参考にしていただいて、即、LINE登録をお願いします。

 

PS:今西貞博会員、熱田支部の急逝・・・。

 10月10日。50歳であられました。このような個人投稿の中で、本当に失礼かと思いましたが書かせていただきます。

 本会、熱田支部、そして公嘱のお仲間のみなさん、共に、お悔やみを申し上げます。早すぎました。     合掌

2023年10月10日火曜日

14年前の裁判・・・

平成20年(わ)第2025号事件  平成21年9月8日名古屋地裁 

 公電磁的記録不正作出、同供用、いわゆるコモンヒルズ北山事件を、もう一度再確認しましょうか。 

 現職の登記官、不動産業者、そして調査士会員3名の逮捕-現地は、岐阜市コモンヒルズ北山3671番21・他 

平成15年から事件は広がっていった。

39㎡→5万9253㎡への地積更正登記処分

6万2220㎡→32㎡への縮小地積更正登記も処分

 

 比較的短期間のうちに、大きな地積の増減ある、且つ同一の土地に対して複数回、繰り返した土地家屋調査士がいた事実。隣地所有者の承諾書も添付されていたと。

 日頃、普通に地権者に伝えることのある縄延びがある→相当ある→大型住宅用地開発地域全体の縄延びが、数筆に集中した。

 

 かなりみなさんには昔話でしょうか?実際にコモンヒルズ北山事件は、社会的に不動産登記制度そのものの信頼を損ね、土地家屋調査士業界に対する不信感よりも、所詮、この人達は、倫理観なく、人に言われた通り、利益の為に動くだけなのかという、全く、プライドの無い資格者(?)。

 とても厳しいレッテルを貼られた事件でした。

 1人の調査士さんは74歳だったそうで…執行猶予とはなったのですが、晩節を汚した…

 引用させていただいたのは、平成22年4月17日(土)愛知県土地家屋調査士会第1回定例研修会-「土地家屋調査士の倫理」講演録(講師 東京高等裁判所部総括判事(当時)加藤 新太郎先生)からの抜粋です。

 久しぶりに年次研修担当講師として、ひととおり読み直しました。

『専門家である調査士は幾らでも素人を誤魔化すことができます。赤子の手をひねるようなものです。しかし、「そういうことは絶対、我々はしません、そういう階層なのです」ということを対外的にきちんと示す必要があるわけです。』

個別の依頼者に説明…「あなたが希望しておられる事柄については、こういうことをこういう段取りで、このようなスケジュールで業務を行っていきます。そうすると、こういう手続きになって、あなたの希望するところが叶えられます」と説明をする。

 →医療現場で言われている「インフォームド・コンセント」という説明・同意のとり方と同じ構造を持っている〜と。

 専門家と素人の間の圧倒的な知識、情報の格差を埋めるために説明をし、職層として依頼者に、誤魔化したり、いいようにはしないということを打ち出すのが専門職倫理。このような講演でした。

 

 私は、この3年間にわたって愛知会年次研修講師を務めてきました。この11月に、2回にわけた会場開催にて、4年目の講師役。対象者の方々に熱くお伝えいたします。

 倫理に関して、年次研修に限らず、是非とも、愛知会のみなさん、学び続けましょう。