2021年12月22日水曜日

70にして心の欲するところに従えども、矩を踰えず(ノリをコえず)

 孔子の言葉を日本語にしても、ラスト、難しいですね。

(ノリ)とは、曲尺(かねじゃく)、直角・直線のことです。

 踰(コ)えずとは、超える~~外れること。 つまりは、矩が、規則・ルールで、きまりから、はずれる。

人の道を外してはならない。70歳を迎えたとして、心の欲するままに行動しても、道を外れることはしないようになれ。道徳や規律をミスる事をしないようにする・・・。

70歳・古稀となると、アタリ前という事です。

 

 歳をとればとるほど、思うままに行動しても他人に迷惑をかけない。行動しつづけよ。

  〜こんな孔子の教えだと、64歳の自分は、勝手に理解します。

 

 さて、愛知県土地家屋調査士会のみなさん。

 本会の平均年齢は、60歳台。61〜63と思います。

事務局資料をもとに、自分判断ですが、過半数が60歳以上である事は間違いないです。

 

 大阪の愚かな61歳が、たくさんの、一生懸命生きてみえる方、そして、その精神科医の素晴らしい先生を、なんとも悲惨なやり方で殺傷してしまいました。

 

 最近思うのですが、このコロナ禍で、すさんだ人々の心が荒れて、測量の立会においても、不調・・・が増えているのでは。

クレーマーどころか、隣人への挨拶の仕方ひとつでも、色々と苦情が、ウチの事務所にもガンガンに届けられます。

 

 どうなんでしょう。私達の仕事は、不特定の方々との立会がメインです。

殺傷されたくはないですが、しっかり仕事をしようとすれば、会わなければならないです。

 

 気をつけて、この先も、矩をまっ直に…外れることなく、立会、やっていきましょう。

2021年12月15日水曜日

調査士試験挑戦者

 内閣府の調査によると、日本の若者は、先進国の中で最も、将来に対して悲観的だといいます。

 バブル崩壊から30年。又、このコロナ禍によって、若者に限らず、日本人は欲求不満に陥り、クレーマー化しているとも言われています。立会いも、もめていないですか?

 

 その若者にとって、土地家屋調査士資格は、どうして興味の対象とならないのか?

何故、全国家資格の中で、これほど受験者が減少しつづけているのか?

 

 若者の常識、それは、自分達が親世代よりも豊かになれる可能性は低い、というものです。

 個人事務所の土地家屋調査士は、国民年金です。

国民年金基金もありますが、月6万5000円+α程度では、65歳以降、賃貸アパートの家賃もまかなえない。その年金制度自体、持続不可能とあきらめ感。

 

 いずれ、AIとロボティクスの進化によって、中国等の異常なIT伸長国に、日本人は占領されてしまうのではないか。国土のみならず、日本の神道をはじめとする団体が、廃仏毀釈如く、廃神となる事にも。

この先の若者は、抵抗できるのだろうか?・・・・・心配です。

 

 今の仕事、今の調査士業の枠内で、儲かるなんてイメージは、わかないでしょう。

愛知会会員1100人中、約700人が一人調査士です。

 家族はともかく、皆一人で、雇うことも、雇われることもイヤだから、この試験を受け、一匹狼として生きていく。

 私、直樹は、自分の子供や後輩達に対して、こんな流れに乗るだけの人生は送ってほしくないと思います。

 

 七戸克彦 九州大教授に、124年後には土地家屋調査士は絶滅します、と記述されたことはご存知ですか?

 七戸氏には、愛知会でも、シンポジウムにて、隣接法律職能と持ち上げていただいた事もありましたが、今では、司法書士主導の日本登記法学会で理事長をされ、土地家屋調査士業界とは、半ばサヨナラされています。

 試験科目を触るとか、受験者を大量に全国の大学へアピールして募るとか。

何かしない事には、100年も持たないのではないでしょうか。

 

 梅村会長以下、現役員のみななさん。連合会はこの件で動きがニブい。

よって、愛知会が挑むしか突破口はないのです。

 

 何かしら、プラン、考え続けましょう。 

2021年12月13日月曜日

出光佐三

 出光佐三 いでみつ さぞう

   1885.8.22~1981.3.7

           石油、海事実業家として〜出光興産の創業者

           「海賊と呼ばれた男」2016年東宝映画 by百田尚樹(ひゃくた なおき)

 

 今、コロナ禍で、この国は、敗戦直後に似た財政悪化状態 → 出光佐三は敗戦時

           「愚痴を止めよ」

           「世界無比の三千年の歴史を見直せ」

           「今から建設にかかれ」

           「我々は家族なんだ。一人も馘首(かくしゅ・解雇)しない」

と語り、社員と共に立ち上がり、出光興産を世界の石油メジャーに負けない企業に発展させていきました。この三千年とは、皇紀2681年の事です。

 

 美智子上皇后陛下が、平成10年に開催された国際児童図書館評議会のビデオレターにて、戦中、疎開先にお父様(正田醤油、いや、日清製粉の創業者・正田家)が、神話や昔話の本を持ってきてくださった思い出を語られました。

 『私は、自分が子供であったためか、太古の物語を大変面白く読みました。一国の神話や伝説は、正確な史実ではないかもしれませんが、不思議と、その民族を象徴します。

 これに民話の世界を加えると、それぞれの国で、どのような自然観や生死感を持っていたか、何を尊び、何を恐れたか、どのような想像力を持っていたか等が感じられます。

 父がくれた神話伝説の本は、私に、個々の家族以外にも、民族の共通の祖先があることを教えたという意味で、私に一つの根っこのようなものを与えてくれました。』

 

 皇紀も、教育勅語も、まず学んだ事は無いでしょうが、この根っこを忘れかけているんでしょうね。丁寧なサービス業という表現を、誠実に仕事にのぞむ。誠実に継続するという表現として、理解し直しましょう。

 目の前のことを一つひとつ、誠実に取り組むうちに、事務所の存在は続きます。心から相手の事を考え、仕事の処理、発想に頭をつかう事で、魂が伝わります。

 かくゆう伊藤直樹も、決して誠実な生き方を、これまでの38年間、貫く事が出来た訳ではなない。

 弱くて、迷い多き自分も、かろうじて今日迄生きてこられたのは、道から逸れそうになっても、士業の「無償独占+日本を大切に思う気持ち(=日本の不動産が大好きな日本人が好き!)」という原点に、いつも引き戻して仕事に対峙してきた事にあります。

 今回、美智子様の話、出光興産の話は、76年前、昭和20年敗戦からの復興について「致知」という月刊誌の「人生、一誠に帰す」という特集から抜粋させてもらいました。 

1.武士道の新渡戸稲造

2.一代で日本ガイシ、ノリタケ、TOTOを築いた、森村市左衛門

3.日露戦争を勝利に導いた、東郷平八郎

4.明治維新の西郷隆盛

5.明治元年に人間修養の学問が乏しいと憂えられた事を受け、教育勅語を作った、元田永孚(もとだ ながざね)

6.昭和の経営の神様、松下幸之助

7.そして安倍内閣で教育基準法改正に尽力された、山谷えり子(昭和25年生の自民党現参議院議員)

 

この7人に限らず、皆〜誠への道、誠実・至誠を語られてきました。

「人生、一誠に帰す」

 

P.S

 私達は歴史を忘れてはいけない。

 あなたの事務所・自宅に神棚はありますか?

神棚の下で育つということは、祖先と共にある自分、それから、地域の自然とか氏神様のおかげで生きている自分、という意識を幼少期から植えつけられてきたのです。

 

 家族型経営とか年功序列とか、終身雇用が否定的に言われますが、先輩から後輩へ、教えを伝承して育てるというやり方は軽視すべきではありません。

 

 個々の能力ある人のみ、抜擢するばかりでは、組織の力は落ちます。

 日本型を大切にして、変革すべきところは時代に合わせ、変えるべきところは変えていく。このような見識は、皇紀、日本の歴史から汲み取るべきかと。

 

 自分も毎朝、自宅と事務所の神棚のお榊の水を変え、1日と15に洗米と御神酒も替えさせていただきます。

 二礼二拍手一拝(にれい にはくしゅ いっぱい)を、毎朝する事で、日本の歴史を感じています。

 

 貴方はどうですか?

2021年12月9日木曜日

訃報

  碧南市のY司法書士の訃報を受けとり、かつて、豪放磊落に錦三丁目で遊んでいただいた思い出。まずはご冥福をお祈りいたします。

 当、愛知会の会員であられるご子息様には、失礼ながら、30年以上、昔の話です。

 

 とある司法書士会の集まりの後、若年にサラッと声をお掛けになり、西三河ではなく、錦の倶楽部で、お馴染みなのでしょうか、着座と同時に数名の司法書士に対して、士業について熱く語られるかたわらで、ママさんとも笑顔でゆっくりグラスを交わされていました。

 自分も30年前、夜の街に生意気にもデビューし、そこそこのお店を利用させていただくようになっていましたが、先輩のお店はワンランク上で、又、1時間程して立ち上がられ、店への支払いをされる事もなく、タクシーにて名駅へと向かわれました。

 送り・・・を初めて教えてもらったのが、その日でした。いわゆる後日請求精算=送りです。

  このブログでの紹介も不思議ではあるのですが、かつて、調査士会でも、夜の街を闊歩された先人方がたくさんおみえでした。千種のK様の着流し姿は、バーのカウンターにとてもお似合いでした。緑のイギリス車で、かつての調査士会館のあった東区主税町の法務総合ビルに乗りつけておみえでした。

 

 多くの先人から、後輩達に歴史を遺していただいて、今があります。

 

 64歳。愛知会に入会して38年。39年目の自分は、まだまだ本会のブラッシュアップに寄与し続けなければいけない立場にあります。

 このブログにたどり着かれる方は数少ないとは察するも、先人の方々よりお預かりした恩恵を、少しでも後ろへとつないでいかなければとの思いで続けていきます。

 

 Y先生。お疲れ様でした。

 

2021年12月2日木曜日

デジタル社会と登記

 11月27日は、日調連の関係団体である地籍問題研究会の発表会。又、日司連主導の日本登記法学会の研究発表が、共にWebにて開催されました。

 自分は、残務として、日本登記法学会の暫定副理事長の肩書きを、本日迄アテ職として冠していた事により、日本登記法学会側の大会に終日、視聴参加いたしました。

 余分な話ですが・・・自分自身は27日の午後、隣県、三重会の定例研修講師役にて、事前収録した80分の講演を、午後動画放映いただくという立場。

 3重のトリプルブッキングです。

 

 視聴する登記法学会の統一テーマは「IT化と登記」。デジタル化時代の司法書士実務やDX時代の登記に加え、唯一、岐阜会から日調連の現業務部長を務める今瀬 勉常任理事による、リモートセンシングデータの登記利用について、各40分×5本の講演報告+質疑、各顧問的立場の学者の先生方による統括が、Zoom放映。

  所有者不明に伴う相続登記の義務化や、相続土地国庫帰属法等の法改正は、今回、まだ取り扱いが定まっていない事から、次回の研究統一テーマとなると思われます。

 さて、デジタルトランスフォーメーション、DX時代と言葉が飛び交っていますが、土地家屋調査士、司法書士、共に、現地の物理的状況や書証以上に大切なのは、やはり、依頼者や隣人本人の意思であり、十分なインフォームドコンセント、いわゆる状況説明を理解し、メニューを選択する専門家と相手方との情報共有と、最終決定事項について合意するプロセス・・・・これがメインである事に変わりはないと、私は思います。


 調・司共に共通したのは、オープンデータ化による、個人情報保護との整合性が報告された事です。

 リモートセンシングデータによって推定される3D筆界線により、物証と書証(林班図)を融合したとしても、合理的な根拠が作成されたまでの事として、最終筆界は地権者の最終合意なくしては決まりません。これは勿論、地権者のワガママは論外ですが。

 

 終日Web画面と向き合って眼に疲れ・・・そろそろ白ワインで癒やさせていただきましょう。

  おっと、最初に書くつもりの情報を忘れていました。

 

 本年6月から、道路使用許可の申請が、全国的にオンラインで可能となりました。各土地家屋調査士は、原則(但しとは書けません。交通量の激しい、人流が常にあろうがなかろうが、要るとしか書けない…)、道路にTS等を設置し作業する場合、使用許可を各管轄警察署窓口に出向いて取得しなければならなかったのですが、申請だけ・・・オンライン可。

 よって、発行される使用許可書は、これまで通り窓口で受け取りです。

 愛知県警の警察行政手続サイトを通じての提出ですから、警察署へ直接メールする訳ではありません。

 2500円、交付時に県証紙購入して貼付。

 せめて郵送返送レターパックで・・・、いや法務局とは違いますか・・・。

 警察も、デジタル社会に少々イン。