2021年8月30日月曜日

取壊証明書

   仕事の話をひとつ。建物滅失登記がこの10年間で、全く様変わりしました。

従来、名古屋法務局管内では、解体工事業者の取毀証明書は、ほぼ添付しませんでした。管区をまたいで、関東や近畿局から、違う表示登記処理の常識が流入し、ローカルルールを廃することで、滅失は取壊証明書を添付する方向へ。そして、解体業者の実印、印鑑証明書添付へ。

 そして先般からは、法人の印鑑証明書は原本の添付省略スタート。建物滅失登記申請日に、解体工事会社の社長が交代していない事も、確認しなければ。

 

 さて、今回は、この証明書をめぐって、伊藤直樹事務所が体験した実話です。

とある賃貸不動産オーナーさんから、建物滅失登記と敷地確定測量の業務を依頼いただきました。解体業者は、初めての付き合いで、随分ヒドイ工事内容であったと。よって業者に対しては、取壊証明書のとりつけを、土地家屋調査士のおタクから依頼して欲しいとの事。

 電話しました。すると、どうやら、工事代金の支払いがなされていない事がわかりましたが、逆に、メールで証明書を作成して送信したところ、数日後に、その会社の社長さんが、証明書と、金8000円也の事務手数料という請求書をもって来所されました。

 取壊証明書の調印に関して費用発生!!! 有るんですね。このような発想。

ちなみに現地は、名古屋市のL字溝も全て壊れているような始末でした。官民ラインが確認されてからの側溝復旧工事は、私の事務所のお願いしている土木施工会社に担当してもらうこととしました。

8000円体験でした。

2021年8月18日水曜日

氏名の読み仮名の法制化

 2023年(令和5年)に戸籍法改正へ → 令和6年度実現へ 

 戸籍の氏名記載欄にローマ字表記を加え、マイナンバーカードに2024年から記載することになります。読み仮名は、現在でも出生届に記載欄があるものの、法律上の位置付けはありません。

この議論に、夫婦別姓、賛否が問われている事がクローズアップされていますが、自論として、婚姻による姓の統一は、この平和な日本の国民であれば、当然に受け入れてしかるべきと考えます。

 昨今のキラキラネームは、正直、全く読めません。孫の幼稚園のオトモダチの名前には驚かされます。社会に出た際に、名刺上に振り仮名を付さずして、誰も声をかける事が出来ないような名前を決定した親御さんは、責められてもしかり。

 国外に出る際のパスポートには、これまでも名前はヘボン式ローマ字表記がされていました。

  ところで、ITO ITOH ITOU。例えば伊藤を勝手に表記してみました。使用するローマ字は任意でしょうか。今回の戸籍法の改正によってこの統一もされるものか。全て個人の個性として認めるか否か。

 行政のデジタル化を進める為、5月にはデジタル改革関連法案が成立しました。デジタル化には読み仮名が必須です。しかし、マイナンバーカードによる本人確認の一本化が、元々の方向性だった筈です。

何とか、マイナポイント5000円特典で30%の登録達成と発表されたものの、自分自身、此のカードで本人確認として用いた事は、一度とてありません。

  又、出生時にローマ字表記したとして、読み方を後年変更する場合、家庭裁判所の許可をもって手続きする事が想定されます。出生する赤ちゃんに限らず、国民に戸籍への届出を義務づける負担?市役所等窓口にマイナンバー同様のブースを新たに設けるのか、同じ氏の親子、兄弟で、異なる氏の読み仮名が届けられた場合、どう取り扱うのか、解決すべき点は多々あります。

 

 令和6年度には、マイナンバーカードを、日本人であれば海外に転出しても利用できるように間に合わせるとしていますが、全ての国民が受け入れられるものかどうか?

 尚、現在の戸籍システムは、全て片仮名入力。金融機関でも口座名義はカタカナです。平仮名、片仮名、人名用漢字に対して、昨今はフリーな読み方で子供を読み上げている実情等。

このままローマ字表記で統一、実現となるかどうか?

 今年、秋からの法制審議会での議論に注目したいところです。

 加えて、今年4月に成立した、改正不動産登記法による各不動産登記記録に、検索キーとして所有権登記名義人の読み仮名を登録することがこれで可能となり、更には、既に令和3年4月から、改正民事執行法にて施行されている、裁判所が債務者の所有している国内、全ての不動産に関する情報を、登記所から取得する手続きがスムーズに運用できるようになります。

2021年8月11日水曜日

民法・不登法改正 そして国庫帰属新法

本年4月21日に成立、28日に公布された、相続登記の義務化をはじめとする一連の法施行は2年内。

但し、相続登記の義務化のスタートは3年後。土地の名変は、5年後とされています。

 所有者不明土地問題に係る、一連の法務省・国交省の連携立法活動は、ひとまず小休止です。

 

 しかしながら、私共土地家屋調査士業界としても、この改正について、全ての会員が最低限マスターしておかねばならない、相続土地国庫帰属法の研修については、令和3年度内に是非とも必要です。

 愛知会において、おそらく遠からず準備いただきましょう。

  以下、こんな考え方もあるようです。

 

・相続登記、住所移転登記の義務化=地権者にとってプレッシャー

 

・経済価値ゼロ地域における未分割の相続登記未了地は、既に実質、所有権が放棄状態

         |

・「相続土地国庫帰属」の新法には高いハードル

                      法務局の審査料、測量+10年分の管理費

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・今後は司法書士業界からビジネスがらみで「相続登記の放置は法律違反!」

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・プラスでも、マイナスでも、なかったような膨大な不動産(大半は固定資産税の免税点以下の土地)を、真面目に登記しようとする善人の方々に申し訳ない。

                               ||

・法務省内、一部の立法担当者の潔癖症に基づく自己満足では?

法務局行政の現場のみなさんは、ふりまわされる善人

(出典・引用バラバラ) 

2021年8月6日金曜日

土地家屋調査士:測量業界マンパワー 86%と78%

  会長の職にあった4年間。将来の会員減少の件を常に注目し、会員のみなさんにお伝えしてきました。

 平成29年6月1日。4年前の愛知会会員数1100名、法人46社。

当時から、大阪会の1031名を抜いて全国第2位にあがっていました。

令和3年(平成33年)8月10日現在、1080名だそうです。法人は53社かな?

現在、大阪会は975名をきり、愛知会は105名の差をつけて、引き続き全国2番目の会員数となっています。

 

 先日、調査士試験にも気を配っていただいている、中区金山の東海工業専門学校の野村校長にお会いしました。

 測量科、測量研究科、測量設計科・・・それぞれ20〜40名の学生さんが、各々、測量会社後継者や、調査士本職の配偶者、お子さん方の紐付きで入校されているとの事。是非、同校と愛知会が提携している事をもっと前面に、挑戦する若い方々、そして愛知会入会者が増加することを期待します。

 

 国交省は、2020年度末時点の建設関連業登録業者名を8月初めに公表しました。測量業者は1万1630者()、年0.7%減。2003年(平成15年)度以来、17年連続で減少しています。

平成15年には1万4750者と、最も多かった頃から3120者の減となっています。=(比78.8%)

 

 片や土地家屋調査士は、平成14年度の18741名がピークで、平成29年に16761名と、15年間で1980名減少。

令和3年(平成33年)4月1日の16141名の19年間で2600名減少しています。

 つまり年間136.8人=約150名ずつ。

失礼ながら福井単位会分が、毎年減っていることになります。

 

 測量業17年間で比78.8%。日調連19年間で比86.1%。

単純に比較出来る訳ではありませんが、全国値です。

 

 これに比べると愛知会は、この15年間増減幅は30名±αのまま。

この現状維持と全国との対比こそ、愛知会にとって、良きにせよ、悪しきにせよ・・・・ やっぱりガラパゴスなのです。