大先輩、宮下澄夫様が亡くなられました。92歳…93歳でしたか?
前会長 伊藤直樹発 情報発信室
2025年4月23日水曜日
ありがとうございました、宮下先生
愛知県土地家屋調査士政治連盟の元会長として、私共 土地家屋調査士制度の発展の為に全力投球されていました。
自分は名古屋市中区に事務所を置く者ですが、小牧市内の土地測量を受託した場合、愛知県内のルールで、公益社団法人
愛知県公共嘱託登記土地家屋調査士協会が市から受託し、市に替わって官民立会を補助する…その場合、この10数年の間、伊藤直樹が官民申請の立会補助役としてお会いするのは、ほぼ必ず、宮下先輩でした。
いつも、笑顔でポールを置き、カメラを構えてみえました。
自分、直樹が「本日の立会する官民ライン、境界の位置なんですが…」と喋り始めると、99%…政治の話で返されたものです。
土地家屋調査士として自分も42年を刻んでいます。が、大先輩の足許には、とてもまだまだ及ばないと言っていた矢先。昨年末に亡くなられていたと知りました。
土地家屋調査士を専属で仕事されている先輩は、まだまだ県内にたくさんおみえです。
地元会長職を務めさせてはいただいたものの、自分よりも経験豊かな先輩は、たくさんおみえです。
人生経験、業務歴からくる職人芸。まだ、自分も学ばせていただかないといけません。
さて、令和7年現在、此の現行不動産登記制度の変革が、どんどん行われています。
相続登記の義務化、スマート名変登記ルール、オンラインによる登記申請そのものと、登記簿謄本や法人印鑑証明書等のルールも、どんどんと、司法書士関連の業務で変わっていきます。
ところが、土地家屋調査士は旧態依然のまま。事実、全ての業務において、変わっているとはとても言えないのです。
ちょっと淋しいですが、仕方ありません。
不動産登記法の20年前の法改正。平成17年3月7日のオンライン申請大原則は、ようやく15〜20年かけて半ライン〜調査士報告方式による、ほぼ完全オンラインまで辿り着きました。法務、登記行政は進展したものの、所有者不明等、国民が抱える問題解決には、私達の業務は変わっていません。
十分な解説が不足で、ご説明になりませんね。でも、ちょっと淋しいです。
土地家屋調査士は、この改正のカヤの外。司法書士は前面にたっています。
両者の資格を持つ者として、もっと土地家屋調査士は、権利登記、不動産登記法の主要な核部分について、陽が当たることを、自らすべきです。
土地家屋調査士、宮下先輩が挑まれてこられた事を、小生も、少しずつ、これからの晩年、実らせていきたいと思います。
先輩、永い間、ありがとうございました。
2025年4月14日月曜日
業界の総会、近づく
愛知県土地家屋調査士会総会、5月30日(金)。同 司法書士会総会31日(土)。2年毎の両会会長交替も内定しています。
此の両資格、全国50単位会の上部には連合会があり、各単位会からの東京本部への上納金が、どうやら又、アップされそうです。
不動産登記法という手続法が、とても早いスピードで改正されています。
今年、令和7年は平成37年。20年前の平成17年3月7日にオンライン申請を原則とする新しい不動産登記法が登場した頃、自分は連合会の役員として、この改正法遵守の為、自分達がどう順応していけるのだろうかと恐くなりました。
あれこれ20年・・・ハーフ・オンライン、そして、令和2年には調査士報告方式という「ほぼ完全オンライン」が、それなりに当たり前になりました。
この5年、10年近くの間に、所有者不明土地問題がらみで、民法も不動産登記法も、早いスピードで改正され続けています。
4月21日からは、個人の所有権登記…住所、氏名から、①住所、②氏名に加えて、③生年月日、④カタカナ氏名表記、そして、⑤個人メールアドレスも登記申請書に記載することになります。③④⑤は謄本には載りません。
しかし、法務局では①〜⑤は、全ての個人の登記情報として登録されます。
相続登記の義務化(10万円過料)、所有権名義人表示変更(更正)登記も義務化(5万円過料)。
この登記義務化との連動というだけでは片付かない人間情報と財産情報との連結が始まるのですが、2つの連合会は、この登記ルール原則改正スピードに、とてもついて行っているようには思えない(私見)です。
登記研究、登記情報という、ゼンリン、キンザイ発行の法務省関連月刊誌で、特に土地家屋調査士の発言力は頼りないですよね。(これまた私見です。)
20年前の法改正に連動した、法律経済関係事務所構想、いわゆる法曹関係業務のオープン化からも20年経ちましたが、土地家屋調査士業界のADR認定資格制度は、最低の成果に留まっているというのも事実。
この状況下で、67歳の自分は兎も角、20代の新人、30代、40代のこれからの業界人の将来、本当に大丈夫なのかという不安です。
この業界、或る意味、まだ75年目です。だからこそ、底が浅すぎて登記だけに頼って生き続けていけない事の方が、ハッキリした事実。登記事件は減り、他士業…司、測、行…からしてみると、攻め込み易い我々のホームグラウンド。
不安です。とても不安ですが、・・・貴方は、どうですか?
2025年4月10日木曜日
電気自動車
日本では、国内に公共充電器が2023年時点で3.16万基。2030年までに30万基まで増やすとしていますが、現在は1割程度。
世界最大のEV(電気自動車)市場となった中国(BYDが代表…)の公共充電器は2023年時点で既に270万基。特に急速充電器は120万基という高い割合となっているそうです。
テスラがアメリカ国内では充電器規格をテスラ主導に採用させ、且つ、18万基という公共充電器が設置されているものの、急速充電器は4.3万基にとどまっています。
ベンツ、ワーゲンのヨーロッパでは、つい10年前迄、ディーゼル車も結構売られていましたが、EVへシフトし、EU圏内で同じ時点で70万基の公共充電器が設置済み。
そして2030年までに主要高速道路120km毎に大型トラック用の充電ステーションを整備しつつ、60km毎にEV充電ステーション、200km毎に水素燃料補給ステーションも整備していきます。
水素自動車、トヨタのMIRAIは、大村知事が県庁でお乗りになっておられますが、この地元名古屋でも、東区代官町に1ヶ所あるだけで、他はどこにステーションとやらはあるのでしょうか?
豊田市民の方なら幾つかご存知なのでしょう・・・。
こんな話題をとりあげているのも、自分が4年前からトヨタ最初の電気ポピュラーカー、レクサスUX300eという、ガソリンの入っていない車に乗ってみているからです。
ECO…っていうだけでもないのですが、その前の自家用車がRHV(プラグインハイブリッド)というミニクーペで、電気80km、その後はガソリンで400km±αという、イギリス的BMWという新車…その前にはミニクーペのディーゼル車に乗ってきているという、それこそ妙な乗用車乗り継ぎ中。
家族・孫と乗るのはワゴン車ハイブリッドですから、トヨタの標準。
このトヨタ標準が全世界から全くかけ離れた流れの中にいても、昨年迄、世界1位の販売台数というのですから、中国BYDに対するテスラの競争力が、トランプの後押しを受けて、一体この先、どんな逆転劇を観ることになるのか・・・心配です。
あたり前、これまでの常識は、世界的に10年で様変わりしていきます。
ガラパゴス化。日本のみのローカルルール…では、本当に生き残れないのでしょうか?
60歳台の自分。30歳台の子供、10歳にもなっていない孫達。次の世代では、トヨタ自動車は、東芝やシャープになってはいないでしょうか。
土地家屋調査士、司法書士、行政書士、資産税中心の税理士、そして宅建業と、私は日本の不動産、特に土地にベッタリ、へばりついた人生を送っています。
ダイヤや金よりも、日本の土地・・・。
ガラパゴス亡者は、今日もスマホを左手、ガラ携を右手に持って、地元を、長距離には馴染まない電気自動車にて走り廻っていくのみ。
2025年4月3日木曜日
連合会CPD制度を、全面的賛同するのではない・・・?
専門職能継続学習(CPD)と、土地家屋調査士の研修制度とのくくりについて、敢えて、全国49会とは一線を画してきた愛知会が、3月31日付会長名にて、県下発信されました。
昨年10月の連合会研修受講状況の管理システム
マナブルの利便性にのっかって、本会の研修受講状況把握の混迷打開をはかられたことは、施策として理解しています。
しかし、CPDという名を用いて、自己満足している姿には全く共感できません。
発信文書の別紙(1)の上段に「連合会が運用する土地家屋調査士CPD制度の趣旨、目的に全面的に賛同する方向転換をしたわけではありませんが、……」とありました。
私
伊藤は、愛知会の副会長時代、連合会理事時代(H15〜19)、本会会長、連合会副会長時代(H29〜R2)に、一貫して連合会の研修をCPDと名乗ること自体、看板を降ろすよう進言してきた立場を今もとっているつもりです。
いみじくも、現在152名参加の協働会あいちゃんねるに、年次研修担当役員でもある神谷文彦会員から、肯定的な意見が掲載されています。
CPDポイント制度導入=会員個々の受講履歴を東京のウェブサイト上で、全国、どこからでもチェック出来ます…という会員間ポイント獲得状況比較が何の目的か? 恥ずかしいから研修会へ行く。外部研修、シンポ、社会貢献に参加するのでしょうか?
公共事業の入札のため、自分のCPDポイントを記入する、もしくは、入札要件とされている測量士、土木設計業界とは格別、他の業界、公共から、土地家屋調査士CPD制度は、何も求められてはいません。
ひとつの投稿でCPD全廃議論をもちかけるものではありませんが、少なくとも、「考えた」上での方針転換か否かが肝心です。
先日放映されていたTBS日曜夜9時「御上(みかみ)先生」の最終回。松坂桃李演ずる主人公の教師のセリフ。卒業を控えた高校生への授業。
主人公は「考えて」が口癖。人間関係などの問題が起こるたび、生徒自身に考えさせ、自力で解決に辿り着かせてきたところ、この日は、この言葉を自ら否定します。
『教育とは考える力を養うこと。では考える力とは何か? コストや時間をかけず、正解に辿り着く力と思いがちだが、実は、答えのない問題の答えを「考え続ける力」を指す』と語りました。
安直な善悪二元論、犯人探し、お仕着せの正解に陥らず、不確実性を受け入れる「ネガティブ・ケイパビリティ」を持てと。
「誰もきみに未来を贈ることは出来ない。
何故ならきみが未来だから。」
谷川俊太郎「未来へ」より引用
※ ネガティブ・ケイパビリティ (Negative capability)
「不確実な状況や、答えのない問題に直面した際に、すぐに結論を出そうとせずに、その状態を受け入れる能力」
2025年3月3日月曜日
週刊新潮3月6日号
森山自民党幹事長のご自宅が、新築以来25年間未登記だったという記事が載り(よく、当たり前にある話です)、それを、この機に未登記は違法と説明して記事になっているのは司法書士。そして、森山氏サイドは、早速反省して、司法書士に依頼をしました……って、何やコレ!
要は、表題登記の1ヶ月以内申請義務違反を、全国誌は、相続登記義務化過料制裁の始まる前に、私達の為にアピールする事は100%なく、話題の森山さんをネタに、まさか司法書士会が書かせたんですかねぇ。(マサカ……)
今回の相続登記の義務化、10万円の過料制裁は、令和9年3月31日から、正当な事由がない場合には課せられ始めるのです。
焦点は、未登記建物の登記申請義務違反は違法である事を、司法書士から聴取。更にラストが、反省して森山さんが司法書士に依頼しました…、という公開記事内容ですね。
愛知会の会員の皆さんには、協働会あいちゃんねるに入っていただきましょう。そして、この内容そのものに土地家屋調査士がそろそろ立ち上がらないと、全国1万人弱の現場の法務局職員さん達から、オマエ達土地家屋調査士は必要な仲間ダヨ、と言われていたって、法務省民事二課のお役人様方…以上の方は、なんで法務省管轄で2つの国家資格を、かなり重複しているにもかかわらずこの先も続けるのは辞めて、ひとつの資格に統合しても良いんでは?と、考えています。と連合会役員経験の私は記憶しています。
登記に関する資格は一つでイイってささやき。法務省では今でも続いていると思っています。
それは、14条地図作成に汗を流しても、所有者探索委員で現地を歩きまわっても、筆界特定調査員として意見書を書きこんでも、結果、霞が関の上の方では、登記行政に司法書士と土地家屋調査士の2つも要るのかどうかなァ……って考えが、ずっとあられる事を識っておきましょう。
相続登記申請義務違反の過料制裁に乗じて、未登記新築建物登記義務違反の過料を話題に持ち上げることを必要と私達が思うのなら、私達からこの過料は共に課すべきではないかってアピールも出来る、或る意味チャンスですね。
って事を見逃したくないですね。と思われませんか?
2025年2月26日水曜日
立会者、また連絡先不明へ?!
昨年10月1日から、会社の代表取締役等住所を非表示措置なるものがスタートしています。
代表取締役、代表執行役、代表清算人の住所は法人登記申請では義務ですが、これからは申し出により、登記事項証明書や登記情報サービスからは視ることが出来なくなりました。視られないように、上場企業、女性オーナーの希望=個人情報保護ということでしょうかね。
都道府県と市区町村の行政区画までは表示されます。
①登記申請と同時に、会社代表者等が司法書士に隠すように依頼します。登記すると同時でしか駄目です。
②代表等の住所・氏名の住民票・印鑑証明書などの提出が必要となり
→株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書面、これも必要なのです。但し、法務局に既に実質的支配者リストの保管(マル秘)の申出をしていた場合は不要。
→株式会社の株式が、上場されている事を認めるに足りる書面も必要としているようですが、一般の小規模の会社でもOKです。
何で必要としたのでしょうかね。
③上場会社以外の株式会社の場合、株式会社が受取人として記載された書面が、その本店の所在場所に宛てて、配達証明郵便により送付されたことを証する書面等。
→郵便物受領証も添付って、ややこしいです。
まァ、色々細かい、司法書士側の手付きは彼等(?)に任せるとして、土地家屋調査士としては、今後の隣地所有・通常中小企業の皆様の立会相手連絡先捜索について、どうすべきなのか。考えていきましょう。
この代表取締役等住所非表示措置の申出がされずに、住所に変更がある登記が申請された場合、新しく登記される住所については、代表取締役等住所非表示措置が講じられません。色々、条件を満たさない場合には、この措置は終了。
最低限、ややこしいですが、識っておきましょう。
2025年2月12日水曜日
有識故実
古来の先例に基づいた公家、武家の行事をはじめ、法令、制度、風俗、習慣等を知っているかどうか。
たった75年目の土地家屋調査士には、公家、武家のルールなんぞ無関係と思いきや、昨今、1030余名の愛知会会員間で、又、全国50会の土地家屋調査士の75年間の経緯について、現在の全国の登録会員はどんどん過去の先例を失っていることに、少々、淋しい思いをしています。
例えば、来たる5月30日の総会をもって、愛知会17人目の新会長が選任承認されます。
自分が、昭和58年8月13日の登録当時、東区主税町にあった法務総合ビルのワンフロアー、本会事務局。平成に、西区新道に土地を購入し、金ウン億円?。翌年4階建+αの会館を金1億円かけずに建築。
あれから既に22年も経過している訳で、その時々の会長が、役員が、どのような働きをされていたのか?その資金は、当時の会員がどう負担しあい、後の会員・・・・そうです、今の貴方のために身を削っていただいたのか、ご存知ですか。
恐らく、失礼ながら全会員中50歳以前の方は、職印台紙という登記申請一件ずつに貼付する収入印紙がなくとも綴っていたこと、ご存知ないですよね。
令和の時代の、調査士報告方式なる、ほぼ完全オンライン登記申請。コロナ禍ですっかり私達は、法務局、支局、出張所へ出向くことがなくなり、郵便物=レタパすら消費量が減りました。
(お隣りの司法書士業界は、登記識別情報、原本還付書類の返送を求める為のレッドレターパックの費用負担…特に昨年10月の値上げで悲鳴!・・・いや、依頼者の方へ、日当交通費から日本郵便株式会社支払レタパ実費の請求明細記入にて、請求書明細記入方法が混乱中…細かいですが私の事務所では、レタパ等実費は日本郵便、登記情報取得実費は一般社団法人民事法務協会、それぞれのインボイス番号を記した請求書としています<<私事乍ら>>)
もとに戻ります。
このハーフオンラインから、ほぼ完全オンライン(注;自然人マイナンバーカード読み取り委任状のみ不足)へと、平成17年3月7日不動産登記法改正の大原則。オンライン申請を原則とし、紙申請は例外として以来、丁度、平成37年=令和7年。今、20年かけて、資格者認証による登記所への土地家屋調査士独占登記申請へと辿り着く迄、この費用、予算負担も、平成18年スタートの土地家屋調査士資格者特定認証局発行、日調連単独発行の代理人オンライン認証。これに全国の先輩がサラッと、当時5億円以上を会費を介して負担してきた事も、今の会員さんはご存知でしょうか?
つい5年前の愛知会70周年記念誌、日調連70周年記念誌は、今、貴方の事務所の本棚に飾られているでしょうか?
私にとって、愛知会40周年記念誌、元会長の成沢千勝氏が全編まとめられた冊子が登録2年目に配布され、それを大切に今日まで温めて、今でも愛知会のちょっとした有識故実を振り返させていただいています。
昭和、平成、令和と、暦は積み重ねられています。
今回の書き込み、年寄りの冷や水と流される事も覚悟して、2月11日の夜、紀元節にシャープペンを走らせてみました。75年史、少し、先達の制度への想いを、お近くの先輩会員に、支部の集まりそして5月総会等でお尋ねいただければ幸いです。