2022年10月26日水曜日

死者に鞭を打たない

 違和感を持つ方も多い中、元首相の国葬について、この是非を、いまだに議論をもとめる方がいます。私見、私は賛成です。…でした。

 戦後、佐藤氏、中曽根氏も、国葬されていません。

 しかし、首相経験者で銃弾によって暗殺された。

民主主義の象徴である選挙中に、現役の代議士が非業の死をとげたのです。

 国葬は行政が決めること。時の首相の考えで決めるのです。

司法、立法の判断ではありません。

 

 一昨日も、ある愛知会会員のご尊父の通夜式に参りました。梅村会長以下、20名余の同職が、名古屋から1時間+αの新城に集まっていました。コロナ禍で、なかなか参集できなかった冠婚葬祭でしたが、ようやく、葬儀参列も、従来の様子に戻りつつあります。

 国葬ではありませんが、出来る限り、業界内のお身内の不幸事には、県内、参らせていただきます。

 中には、意見が違ったり、距離をおいてしまっている同輩の方が自分にもあります。

 しかし死者にムチを打たない。この言葉は日本人の守るべきルールです。

 

 或る人が言われました。

「結婚式は呼ばれなければ出席は出来ない。

しかし葬式には呼ばれなくても行ける。

どんなことがあっても行くべきだ」と。

 

 家族葬の割合がコロナで急増していた3年弱。

 大切な時間を、かなり無にしていた気がします。

2022年10月24日月曜日

5年前

 伊藤直樹が会長になって、企画部を触りまくりました。

昔話です。

 研究所を創ることが茶谷会長からの引き継ぎだったので、従来の筆界管理鑑定委員会のマンネリ打破と、あいち地籍研究委員会をストップし、新しく研究所内で、今後、どうしていくべきかを話し合ったのが5年前でした。

 それまでに、苦労され、会務の蓄積をされてきた方々には敬意を払いながら、止めるべきものは、会長責任で止めました。

  

K研究員

 会長の言われる1,100人がどうやって食べていくのかということと、調査士の名をいかに知らしめるかということは、全く別のところにあるのではないかと思う。調査士が全員認められたからといって食べていけるという訳ではない。

 仕事の依頼が来るのは、調査士や私が立派だと思われているかではなく、ただ、仕事を出せばやってもらえるからという理由であると思う。

 会長の文章を読むと、かなり難しいところを追求していく会議になるのだなと思っている。

 

S研究員

 強制会が、あまり一つの理念の基づいた調査士像というものを作ってしまうのはどうなのかと思う。それぞれの会員が、自分の理念に基づいて事務所を経営していく自由があるはずであり、会がそれについてビジョンを示すというのはどうなのだろうかと思う。

 

この後、次のような事について話があった

・キックバックについて

・共同受託、受託団について

・復代理について

・調査士業務の一身専属性について

・倫理規定、倫理研修について

・愛知会版調測要領について

・認定調査士について

 

伊藤

・他の士業では、法改正や新たな通達・判例等が毎年でてきて、それに対応していかないと業務ができない。夜集まっての研修もあるし、パソコンで履修してそれを報告するといったことも行われており、会員の履修状況が管理されている。履修状況を監督官庁に報告する士業もある。

・調査士は、最近法改正が無いので、勉強しなくても生きてこられているという状況があるのではないか。

・会員が、こういった研修ならば受けておこうかなと思えるようなメニューがない。

・(会員は)得られるものが何もないのなら、会費は安くして欲しいと思うだろう。得られるものがあるから、高い会費を払ってでも研修に行きたいと思ってもらえるような方向を目指したい。

・E所長には、数値のない地域の測量を(いきなり)新人会員に教えるのではなくて、数値のある地域の測量を(まず)教えてほしい。

・新人が受託する測量は、耕地整理や区画整理のされた土地が多いと思うので、そういった今ある仕事に直ぐに役立つような研修をして欲しい。

 

K研究員

・チェック機能が要るのであれば、調査士の業務は全て登記に結び付ける。境界確定で終わらせず、地積更正登記まで行わなければいけないことにすればよい。確定だから基準点測量を行わずに済ませたというようなことがあるのであれば、逆に、全ての業務を登記まで完遂させる方針を示すことは、1つの有効な方法になるのではないか。

 

伊藤

・K研究員もK副所長も、3条業務に全て戻れというが、私は会長に立候補して以後、その考え方では業務が広がらないと主張しているので、それには根ざさない形で私としては会務を執行する。

・要は、お客様のニーズはそこにない。法務局に登記することがゴールインでは全然ないという業務が、もう5割以上あるのが実態である。

 

K研究員

・それを言うと、調査士の業務ではない。調査士の業務は、あくまでも登記を前提とすると謳っているではないか。

 

伊藤

・登記を前提にした土地、不動産の取引のために業務をするのであり、10年後、20年後に、その土地の分筆をするかも知れないところを、今、確定しているのであり、将来の登記にも備えられるだけの基準に基づいていなければならない。
・ただ、登記をしないとレベルが低くなるのではないかと言う議論は、上に上げていけば良い。

 

 

 かつての議事録から抜粋してみました。自分は登記申請を伴わない実務を拡大しない限り、この先の調査士業界の未来はないと、勿論、今でも確信しています。

 自分の事務所も半分は、たしかに土地、建物、区分登記で食べてはいます。しかし、パイは毎年のように縮まっていきます。

1060人、16100人が生きていかなければならない知恵は、後進のアイデアに任せましょうか?

 

何かを引き継ぐのであれば、直樹はまだまだ何でもやりますよ。

2022年10月21日金曜日

中京間

  10月20日。私事ながら、実父の9回目命日でした。自身、その葬儀の2ヶ月後に喉頭癌の宣告を受け、少なからず正念場でした。

 父の仕事は銘木商。カタギの商売です。紫檀、黒檀、鉄刀木、北山杉。そして欅の一枚板が店中にたてかけられていました。

 納品先も、お屋敷、旅館、料理屋、etc。今は、自宅に床の間を施される建売住宅は、ほとんどありません。

 

 建物、建築のミニ知識です。

     団地用 85×170 1.44㎡ 

五六間(ごろくま):かつての公団住宅の集合住宅で用いられた

江戸間 88×176 1.55㎡        

えどま 五八間(ごはちま):日本の畳の標準 

中京間 91×182 1.65㎡                      

三六間(さんろくま):東海エリアで用いられた

→福島、山形、なぜか奄美大島でも用いられています

六一間 92.×185 1.71㎡   

ろくいちま:山陰地方、近畿の一部、広島、岡山

京 間 95.×191 1.82㎡   

本間(ほんけん):京都をメインとした西日本、中国、九州地方

 

〜宅建・・不動産の表示に関する公正競争規約施行規則

  畳数で部屋の広さを記す際は、1畳=1.62㎡(90cm×180cm)以上とすることになっています。="江戸間"では違反です。

 

 この座敷の中には、床柱があり、床框(かまち)があり、違い棚が施工されます。

長押(なげし)、鴨居(かもい)、襖(ふすま)、本来は家屋に係る私共、土地家屋調査士として識っているべき用語ですが、どの教科書にも登場していません。

 家は家族の基地です。ふるさとです。父の仏壇に手をあわせてまいります。

2022年10月7日金曜日

10月5日愛知会定例研修会

 田中淳子教授の熱の入った民法・不動産登記法改正。ご自分は相続放棄をして、神戸の使えない土地や農地は、ご高齢のお母様が他界された後、その兄弟姉妹に相続権を移す決意。

 将来設計ですね。次回、又、豊橋会場での熱弁、お願いします。

 後半、法務局K総活表専の研修内容に、令和5年4月27日スタートする相続土地国庫帰属法の法務局サイドの受付処理をご担当されている旨、伺いました。

 基本は、平成4〜6年当時の税務署・財務局が処理担当された、相続税物納よりも緩く、筆界が定まっていなくても、土地の占有界がはっきりしており、他に支障ない帰属申請がなされれば、受付て、国有地へという流れとなる旨、方向性を説明いただきました。

 やはり、法務局受付担当は表示登記担当者となるのですが、持ち込まれる相続土地について、測量図は要るのかどうか?そこは、聞きそびれました。

 永年、法務局にて、土地家屋調査士の土地登記申請を処理していただいた登記官が、国庫帰属申請してきた土地の現況を、現地実地調査なく、境界杭なく、実測と公簿との比較もなく、果たして目をつむって審査し、財務局や林野庁に引き渡しするのでしょうか。

 国有地として管理する事が出来るが、無価値に近い土地を、相続人は、誰も買ってもらえない時に、国への追金を払ってでも収納してもらう手続です。

 K氏いわく、原野商法対象の山林っぽい原野、雑種地の持ち込みが多数あるだろうと。

 現段階で判明している、一律、最低20万円からの10年間管理する為の負担金もなかなか高く、これに法務局の審査手数料もオンします。自筆証書法務局預りの3900円程度でしょうか?

相続登記の義務化、先駆けて、この帰属法に、土地家屋調査士業界の申請地実地調査フォローは予定されないのでしょうか。

 連合会は、所有者不明土地(単筆)管理人や、管理不全地管理人に、弁護士協働、又は、単独で財産管理人として地方裁判所に手を挙げる管理人養成講座を開設する準備をしているようですが、私は、国庫帰属法の実地調査フォローの方が土地家屋調査士にとっての選択肢だと考えます。