2022年7月25日月曜日

盛土規制法

 法の施行を前に、今一度、静岡県熱海市伊豆山における不適切な処分土砂の事件を思い返してください。

 土地所有者が二転三転しています。誰か司法書士が関与をしています。司法書士は、対象の物件について何もチェックはしません。宅建業者、仲介者の仕事ですから・・・。    山だから測量はしていないのでしょうか。土地家屋調査士は関与していないのでしょうか。測量をしたところで、何に使われるのか、利用目的なんぞ知ったこっちゃない。登記地積と実測の違いを成果報告とするまで、対象土地がどのような傾斜か、崖か、平地か、土地家屋調査士には関係ない。高さ、勾配?高低測量は、調査測量実施要領、改め、業務取扱要領に特に定められてもいない。

 

 今回の盛土規制法は、土を盛る工程自体に適用されます。

 決して、従来でいう「盛土」の概念としての宅地造成や、道路、鉄道の法面の土木工事に限定されることなく、守るべき人命、財産のある市街地、集落や、道路や、大切なインフラ設備へ、流動化した土砂がどのような害をもたらすだろうか。厳しく規制しなければならない。

 守れないような施行ルールにしてしまったら、残土処分場やゴミの中間処理場、最終処分場は、今後、出来ないではないかという建設業界の声も聞きます。

逆でしょう。厳しく、人命等に影響が全くない土地を行政が選んで、そこに設置させてもらうような仕組みを提案するくらい、考えが及ばないものか。

 盛土への罰則強化や、行政代執行の規定整備の前に、この狭い国土の利用を、土地所有者にフリーに選ばせてしまう事を根本から改めるには、全ての土地取引に必ず関与する可能性が高い司法書士、そして私達 土地家屋調査士に何か抑止力はないものか。

 現地状況、写真資料、今、そこに起きている土壌、水みち、土砂崩れ・・・リスクについて、現場に行けば知り得た情報を「王様の耳はロバの耳」と、事務所の天井に向かって語るだけの私達。

 勿論、無指定地域、調整区域の山の中、谷底の登記測量は、なかなか依頼を受けるものではありませんが、一つ、頭の中に入れておきましょう。

 「不適切な盛土の発生を事前に減災する。既設の盛土、切土の崩落の可能性を知った時には、声をあげる。例え、地主、地権者法人に止められても・・・。」

〜レアケースですが。