2019年8月19日月曜日

仕事を介して

 致知という月刊誌は、ご存知でしょうか。創刊は昭和53年、昨年が発刊40周年とのことで、実は亡くなった義父から、個人事業を営む上でこれを読むと良いと薦められたのを覚えています。
 義父は、一年の闘病後、築地のがんセンターで天に召されました。いつも病室にこの冊子が置かれていましたが、さほど気にとめることもなく、生意気な30代の私は、朱子学、陽明学といった世界と、安岡正篤(マサヒロ)氏という政財界に大きな影響を遺した方の事も、興味をほぼ感じず、平成のバブルに呑み込まれていきました。


 あれから30年・・・綾小路きみまろではありませんが、この致知を読むようになり、先回の「こども論語塾」の件も、そのひとつです。 
 何の為に土地家屋調査士という国家資格者として、30年、40年続けてきたのか。そしてこの先、何が使命なのか。例えば、吉田松陰や横井小楠(ショウナン)が、ほとんどお互いに接点がないにもかかわらず、1853年ペリー来航の年に、松蔭が熊本に横井を訪ねて、お互いの情熱、国家の在り方を語り合った。混迷する日本の進むべき道を話し合い、この一つのテーマに、心と心が呼ぶ、英雄が英雄を呼ぶという様。ある意味、そこから明治維新のエネルギーは凝縮し、真の点火が始まったのではないか、といったような研究家の対談記事を読みながら、30代、40代、そして50代と、勉強をしてこなかったものだなぁと、反省しきり。
 
 最近少しずつ、中国の古典、論語に限らず、生来の中韓拒否の自分をおさえて、読むようにしています。
 自分の使命は、まだわかりません。この先、何ができるのか。何か変えられるものか、わかりません。ただ、こうして愛知会会長3年目。且つ、連合会副会長に就いて2ヶ月丁度を経過する今、1100名、更には16700名の中の様々な声、状況も知ることとなり、わかってはいないなりに、学び受ける覚悟は再認識している次第です。
 この会務、そして土地家屋調査士たる自らの仕事を介して、世の中と向き合い続け、生涯現役、貫きたいものです。