2025年5月12日月曜日

令和7年3月末退会の方々

  愛知会会報5月号に、多くの先輩同輩の方々の、恐らく本年3月末をもっての退会の報が掲載されて、少々驚きました。知多の大橋さんはじめ、かつて役員として共に汗を流していただいた先輩も、70代という年齢をもって、この会の登録を辞されたとの事。

 関さん、辻村さん。松岡清さんはつい先日迄、熱田の支部長をなさっていましたよね。

 皆さん、早過ぎます。

 この資格。たしかに土地を業とする以上、現場が伴います。

しかし、若い手助けがあれば、皆さん、まだまだ仕事は出来たのではないでしょうか?

 会費負担も大変なのでしょうか?そして、引退後のやりがい、やりたい事が優先という事なのかもしれません。

 退会は、ご本人の選択です。自由です。お止め出来るものではありません…が、この資格。この先、皆さんが登録継続されるか否か、他人がどうこう言えるものではない事はわかっています。

 しかし、皆さんと共に……出来れば命ある限り、私は仲間であり続けたいですね。

 

 5月号掲載の退会者9名様。永い間、ご苦労様でした。お疲れ様でした。

ホームページ、これからも覗いていただきますようお願いしながら、みな様のご多幸を祈っています!

2025年4月25日金曜日

法に溺れてまで・・・・信託と調査士

  私見です。自分は民事信託を活用する者ではありません。

平成19年、2007年から、家族・民事信託が施行され、18年経ちました。

 以来、信託銀行にほぼ限られていた商事信託との併存にて、新しいスタイルの家族間財産解決法として、当初歓迎されましたが・・・

私見ながら、今後も汎用性は広がらないでしょう。

 

 先輩調査士さんから質問をいただきました。

 新築した建物の表題登記の「受託者」を表題部所有者として申請してもらいたいと依頼を受けたが、法務局に尋ねても、けんもほろろ。

 会員間で、経験者は?

 なかなか、いないでしょうね。確かに、調べてみると、真の資金出資者=所有者=「委託者」との信託契約が成立してさえすれば、表題登記は受託者からすることが出来るとされています。

 しかし、司法書士サイドが、保存登記時点で連件で信託登記を必ず申請することで、信託原簿において、法律関係がはっきり公示されるから、受託者の表題登記をそのまま土地家屋調査士は「黙って」申請すれば良いというものではありません。

 93条調査報告書には、どう記しますか?

所有権証明書として確認済証を覗くと、そこには、受託者の名が記載されているケースもあるようです。だったら、所有者は受託者で問題ないのでは?・・ではありませんね。

 土地家屋調査士は、原始取得者としての委託者、建物を建てる発注した方を所有者として認定しなければなりません。

 設計事務所は、言われるがまま、委託者の資金を投じて建築する建物の建築確認申請書の所有者欄に受託者の名前を記した…それを批難しても仕方ありません。

 もう一度、93条に記すべきは、真の所有者は誰かという事に尽きますと。

司法書士に言われたから…では、何の根拠にもなりません。そこをしっかり踏みとどまっていただいて、真の所有者と、現在、委任状に印鑑を押そうとする受託者との関係を、A4 1枚に、正しい所有権証明書として作文すべきです。

そこに、委託者、受託者双方に、今回の申請人の特定の理由を、土地家屋調査士として明記すべきです。

 しかし、委託者は建物の完成時に、既に認知状態となっている事もあります。(本来は、その時点で成年後見申立がなされる事が遵法ですが…)であれば、土地家屋調査士としてその経緯を、受託者の自己申述書として、A4 1枚に作成しましょう。勿論、93条のうしろに、公正証書の信託契約書もフルに参考添付します。

 そして、最も大切なのは、例え93条を書き上げ、表題登記が申請され、①保存、信託登記の申請がなされなかった場合、②表題、保存、信託登記が登記完了後に、信託錯誤抹消された場合・・・

→ ①②共に、表題部の受託者登記名義人の名が残ってしまいます。

 相続等を経て、信託関係家族が居なくなると、全く、建物所有者の真実は、登記記録だけではわからなくなります。

かつて埼玉法務局で、①、②を理由に「受託者による表題登記」を受理出来ないとした例もあったとの事。

 そこへ、令和6年(2024年)1月10日民事二第17号によって、受託者単独申請が簡便化される先例が出され、(私見ながら)信託を汎用する方向性で中間省略登記=免許税の節税が可能となりました。 クダラン・・・(私見です)

 

 家族間で信頼出来ない人物がいるから、限定的な家族内の断絶対抗策。

→ 弁護士、司法書士は信託におぼれる事なかれ!

→ 土地家屋調査士は、巻き込まれることなく、基本通り、真の所有者探索を!

 

 他士業者に、負けないこと!!

 

2025年4月23日水曜日

ありがとうございました、宮下先生

  大先輩、宮下澄夫様が亡くなられました。92歳…93歳でしたか?

愛知県土地家屋調査士政治連盟の元会長として、私共 土地家屋調査士制度の発展の為に全力投球されていました。

 自分は名古屋市中区に事務所を置く者ですが、小牧市内の土地測量を受託した場合、愛知県内のルールで、公益社団法人 愛知県公共嘱託登記土地家屋調査士協会が市から受託し、市に替わって官民立会を補助する…その場合、この10数年の間、伊藤直樹が官民申請の立会補助役としてお会いするのは、ほぼ必ず、宮下先輩でした。

 いつも、笑顔でポールを置き、カメラを構えてみえました。

自分、直樹が「本日の立会する官民ライン、境界の位置なんですが…」と喋り始めると、99%…政治の話で返されたものです。

 

 土地家屋調査士として自分も42年を刻んでいます。が、大先輩の足許には、とてもまだまだ及ばないと言っていた矢先。昨年末に亡くなられていたと知りました。

 土地家屋調査士を専属で仕事されている先輩は、まだまだ県内にたくさんおみえです。

 地元会長職を務めさせてはいただいたものの、自分よりも経験豊かな先輩は、たくさんおみえです。

 人生経験、業務歴からくる職人芸。まだ、自分も学ばせていただかないといけません。

 

 さて、令和7年現在、此の現行不動産登記制度の変革が、どんどん行われています。

 相続登記の義務化、スマート名変登記ルール、オンラインによる登記申請そのものと、登記簿謄本や法人印鑑証明書等のルールも、どんどんと、司法書士関連の業務で変わっていきます。

 ところが、土地家屋調査士は旧態依然のまま。事実、全ての業務において、変わっているとはとても言えないのです。

      ちょっと淋しいですが、仕方ありません。

 不動産登記法の20年前の法改正。平成17年3月7日のオンライン申請大原則は、ようやく1520年かけて半ライン〜調査士報告方式による、ほぼ完全オンラインまで辿り着きました。法務、登記行政は進展したものの、所有者不明等、国民が抱える問題解決には、私達の業務は変わっていません。

 十分な解説が不足で、ご説明になりませんね。でも、ちょっと淋しいです。

 

 土地家屋調査士は、この改正のカヤの外。司法書士は前面にたっています。

 両者の資格を持つ者として、もっと土地家屋調査士は、権利登記、不動産登記法の主要な核部分について、陽が当たることを、自らすべきです。

 

 土地家屋調査士、宮下先輩が挑まれてこられた事を、小生も、少しずつ、これからの晩年、実らせていきたいと思います。

 

 先輩、永い間、ありがとうございました。

2025年4月14日月曜日

業界の総会、近づく

  愛知県土地家屋調査士会総会、5月30日()。同 司法書士会総会31日()。2年毎の両会会長交替も内定しています。

 此の両資格、全国50単位会の上部には連合会があり、各単位会からの東京本部への上納金が、どうやら又、アップされそうです。

 不動産登記法という手続法が、とても早いスピードで改正されています。

 今年、令和7年は平成37年。20年前の平成17年3月7日にオンライン申請を原則とする新しい不動産登記法が登場した頃、自分は連合会の役員として、この改正法遵守の為、自分達がどう順応していけるのだろうかと恐くなりました。

 あれこれ20年・・・ハーフ・オンライン、そして、令和2年には調査士報告方式という「ほぼ完全オンライン」が、それなりに当たり前になりました。

 

 この5年、10年近くの間に、所有者不明土地問題がらみで、民法も不動産登記法も、早いスピードで改正され続けています。

 4月21日からは、個人の所有権登記…住所、氏名から、①住所、②氏名に加えて、③生年月日、④カタカナ氏名表記、そして、⑤個人メールアドレスも登記申請書に記載することになります。③④⑤は謄本には載りません。

しかし、法務局では①⑤は、全ての個人の登記情報として登録されます。

 相続登記の義務化(10万円過料)、所有権名義人表示変更(更正)登記も義務化(5万円過料)。

 この登記義務化との連動というだけでは片付かない人間情報と財産情報との連結が始まるのですが、2つの連合会は、この登記ルール原則改正スピードに、とてもついて行っているようには思えない(私見)です。

 登記研究、登記情報という、ゼンリン、キンザイ発行の法務省関連月刊誌で、特に土地家屋調査士の発言力は頼りないですよね。(これまた私見です。)

 20年前の法改正に連動した、法律経済関係事務所構想、いわゆる法曹関係業務のオープン化からも20年経ちましたが、土地家屋調査士業界のADR認定資格制度は、最低の成果に留まっているというのも事実。

 この状況下で、67歳の自分は兎も角、20代の新人、30代、40代のこれからの業界人の将来、本当に大丈夫なのかという不安です。

 この業界、或る意味、まだ75年目です。だからこそ、底が浅すぎて登記だけに頼って生き続けていけない事の方が、ハッキリした事実。登記事件は減り、他士業…司、測、行…からしてみると、攻め込み易い我々のホームグラウンド。

不安です。とても不安ですが、・・・貴方は、どうですか?

2025年4月10日木曜日

電気自動車

 日本では、国内に公共充電器が2023年時点で3.16万基。2030年までに30万基まで増やすとしていますが、現在は1割程度。

 世界最大のEV(電気自動車)市場となった中国(BYDが代表…)の公共充電器は2023年時点で既に270万基。特に急速充電器は120万基という高い割合となっているそうです。

 テスラがアメリカ国内では充電器規格をテスラ主導に採用させ、且つ、18万基という公共充電器が設置されているものの、急速充電器は4.3万基にとどまっています。

 ベンツ、ワーゲンのヨーロッパでは、つい10年前迄、ディーゼル車も結構売られていましたが、EVへシフトし、EU圏内で同じ時点で70万基の公共充電器が設置済み。

そして2030年までに主要高速道路120km毎に大型トラック用の充電ステーションを整備しつつ、60km毎にEV充電ステーション、200km毎に水素燃料補給ステーションも整備していきます。

 水素自動車、トヨタのMIRAIは、大村知事が県庁でお乗りになっておられますが、この地元名古屋でも、東区代官町に1ヶ所あるだけで、他はどこにステーションとやらはあるのでしょうか?

豊田市民の方なら幾つかご存知なのでしょう・・・。

 

 こんな話題をとりあげているのも、自分が4年前からトヨタ最初の電気ポピュラーカー、レクサスUX300eという、ガソリンの入っていない車に乗ってみているからです。

 ECO…っていうだけでもないのですが、その前の自家用車がRHV(プラグインハイブリッド)というミニクーペで、電気80km、その後はガソリンで400km±αという、イギリス的BMWという新車…その前にはミニクーペのディーゼル車に乗ってきているという、それこそ妙な乗用車乗り継ぎ中。

 家族・孫と乗るのはワゴン車ハイブリッドですから、トヨタの標準。

このトヨタ標準が全世界から全くかけ離れた流れの中にいても、昨年迄、世界1位の販売台数というのですから、中国BYDに対するテスラの競争力が、トランプの後押しを受けて、一体この先、どんな逆転劇を観ることになるのか・・・心配です。

 あたり前、これまでの常識は、世界的に10年で様変わりしていきます。

 

 ガラパゴス化。日本のみのローカルルール…では、本当に生き残れないのでしょうか?

60歳台の自分。30歳台の子供、10歳にもなっていない孫達。次の世代では、トヨタ自動車は、東芝やシャープになってはいないでしょうか。

 土地家屋調査士、司法書士、行政書士、資産税中心の税理士、そして宅建業と、私は日本の不動産、特に土地にベッタリ、へばりついた人生を送っています。

 ダイヤや金よりも、日本の土地・・・。

 

 ガラパゴス亡者は、今日もスマホを左手、ガラ携を右手に持って、地元を、長距離には馴染まない電気自動車にて走り廻っていくのみ。

2025年4月3日木曜日

連合会CPD制度を、全面的賛同するのではない・・・?

 専門職能継続学習(CPD)と、土地家屋調査士の研修制度とのくくりについて、敢えて、全国49会とは一線を画してきた愛知会が、3月31日付会長名にて、県下発信されました。

 昨年10月の連合会研修受講状況の管理システム マナブルの利便性にのっかって、本会の研修受講状況把握の混迷打開をはかられたことは、施策として理解しています。

 しかし、CPDという名を用いて、自己満足している姿には全く共感できません。

 発信文書の別紙(1)の上段に「連合会が運用する土地家屋調査士CPD制度の趣旨、目的に全面的に賛同する方向転換をしたわけではありませんが、……」とありました。

 私 伊藤は、愛知会の副会長時代、連合会理事時代(H1519)、本会会長、連合会副会長時代(H29R2)に、一貫して連合会の研修をCPDと名乗ること自体、看板を降ろすよう進言してきた立場を今もとっているつもりです。

 

 いみじくも、現在152名参加の協働会あいちゃんねるに、年次研修担当役員でもある神谷文彦会員から、肯定的な意見が掲載されています。

CPDポイント制度導入=会員個々の受講履歴を東京のウェブサイト上で、全国、どこからでもチェック出来ます…という会員間ポイント獲得状況比較が何の目的か? 恥ずかしいから研修会へ行く。外部研修、シンポ、社会貢献に参加するのでしょうか?

 公共事業の入札のため、自分のCPDポイントを記入する、もしくは、入札要件とされている測量士、土木設計業界とは格別、他の業界、公共から、土地家屋調査士CPD制度は、何も求められてはいません。

 

 ひとつの投稿でCPD全廃議論をもちかけるものではありませんが、少なくとも、「考えた」上での方針転換か否かが肝心です。

 先日放映されていたTBS日曜夜9時「御上(みかみ)先生」の最終回。松坂桃李演ずる主人公の教師のセリフ。卒業を控えた高校生への授業。

 主人公は「考えて」が口癖。人間関係などの問題が起こるたび、生徒自身に考えさせ、自力で解決に辿り着かせてきたところ、この日は、この言葉を自ら否定します。

『教育とは考える力を養うこと。では考える力とは何か? コストや時間をかけず、正解に辿り着く力と思いがちだが、実は、答えのない問題の答えを「考え続ける力」を指す』と語りました。

 安直な善悪二元論、犯人探し、お仕着せの正解に陥らず、不確実性を受け入れる「ネガティブ・ケイパビリティ」を持てと。

     〜 以上、後段は日経朝刊一面、春秋より引用

 

「誰もきみに未来を贈ることは出来ない。

        何故ならきみが未来だから。」

          谷川俊太郎「未来へ」より引用

 

※ ネガティブ・ケイパビリティ (Negative capability)

「不確実な状況や、答えのない問題に直面した際に、すぐに結論を出そうとせずに、その状態を受け入れる能力」

2025年3月3日月曜日

週刊新潮3月6日号

 森山自民党幹事長のご自宅が、新築以来25年間未登記だったという記事が載り(よく、当たり前にある話です)、それを、この機に未登記は違法と説明して記事になっているのは司法書士。そして、森山氏サイドは、早速反省して、司法書士に依頼をしました……って、何やコレ!

 要は、表題登記の1ヶ月以内申請義務違反を、全国誌は、相続登記義務化過料制裁の始まる前に、私達の為にアピールする事は100%なく、話題の森山さんをネタに、まさか司法書士会が書かせたんですかねぇ。(マサカ……)

 今回の相続登記の義務化、10万円の過料制裁は、令和9年3月31日から、正当な事由がない場合には課せられ始めるのです。

 焦点は、未登記建物の登記申請義務違反は違法である事を、司法書士から聴取。更にラストが、反省して森山さんが司法書士に依頼しました…、という公開記事内容ですね。

 愛知会の会員の皆さんには、協働会あいちゃんねるに入っていただきましょう。そして、この内容そのものに土地家屋調査士がそろそろ立ち上がらないと、全国1万人弱の現場の法務局職員さん達から、オマエ達土地家屋調査士は必要な仲間ダヨ、と言われていたって、法務省民事二課のお役人様方…以上の方は、なんで法務省管轄で2つの国家資格を、かなり重複しているにもかかわらずこの先も続けるのは辞めて、ひとつの資格に統合しても良いんでは?と、考えています。と連合会役員経験の私は記憶しています。

 登記に関する資格は一つでイイってささやき。法務省では今でも続いていると思っています。

それは、14条地図作成に汗を流しても、所有者探索委員で現地を歩きまわっても、筆界特定調査員として意見書を書きこんでも、結果、霞が関の上の方では、登記行政に司法書士と土地家屋調査士の2つも要るのかどうかなァ……って考えが、ずっとあられる事を識っておきましょう。

 相続登記申請義務違反の過料制裁に乗じて、未登記新築建物登記義務違反の過料を話題に持ち上げることを必要と私達が思うのなら、私達からこの過料は共に課すべきではないかってアピールも出来る、或る意味チャンスですね。

って事を見逃したくないですね。と思われませんか?