2022年4月6日水曜日

交換と共有物分割

  不動産取得税の話題です。3月22日最高裁第三小法廷は、登記を共有物分割としていても、共有する複数の不動産を一括して分割の対象とし、一部の土地の他の共有者の持分を取得して、単独所有するのは、通常の交換特例であって、東京都税事務所は、持分の取得に対して不動産取得税の賦課決定処分した事を適法としました。

 納税者は、この処分の取消を求め、高裁が都税事務所の処分を認めていたものを、今回、最高裁が支持して、納税者の上告を退けました。敗訴でした。

 地方税法では、共有物分割による不動産の取得に対し、当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分(持分超過部分)の取得を除き、不動産取得税を課することができない旨、規定しています。

 簡単な例にしましょう。2筆土地があり、1筆はAが5分の4、Bが5分の1の100㎡、もう1筆は、Aが5分の1、Bが5分の4の100㎡。合計すればAとBの共有持分地積はイコールです。登記としては、共有物分割として権利登記を申請することが通ったとしても、実質、個々の不動産の取得ごとに判断せよとの解釈をした訳です。

 土地家屋調査士は、共有物分割の前提となる土地分筆登記を行う事があります。その場合の打ち合わせの際に、持分超過部分の取得税の取り扱いに、注意を払う必要があります。

 土地交換の税務特例は、国税の譲渡所得税が免除となるものであって、県税の不動産取得税については賦課される事、お忘れなく。