2023年10月10日火曜日

14年前の裁判・・・

平成20年(わ)第2025号事件  平成21年9月8日名古屋地裁 

 公電磁的記録不正作出、同供用、いわゆるコモンヒルズ北山事件を、もう一度再確認しましょうか。 

 現職の登記官、不動産業者、そして調査士会員3名の逮捕-現地は、岐阜市コモンヒルズ北山3671番21・他 

平成15年から事件は広がっていった。

39㎡→5万9253㎡への地積更正登記処分

6万2220㎡→32㎡への縮小地積更正登記も処分

 

 比較的短期間のうちに、大きな地積の増減ある、且つ同一の土地に対して複数回、繰り返した土地家屋調査士がいた事実。隣地所有者の承諾書も添付されていたと。

 日頃、普通に地権者に伝えることのある縄延びがある→相当ある→大型住宅用地開発地域全体の縄延びが、数筆に集中した。

 

 かなりみなさんには昔話でしょうか?実際にコモンヒルズ北山事件は、社会的に不動産登記制度そのものの信頼を損ね、土地家屋調査士業界に対する不信感よりも、所詮、この人達は、倫理観なく、人に言われた通り、利益の為に動くだけなのかという、全く、プライドの無い資格者(?)。

 とても厳しいレッテルを貼られた事件でした。

 1人の調査士さんは74歳だったそうで…執行猶予とはなったのですが、晩節を汚した…

 引用させていただいたのは、平成22年4月17日(土)愛知県土地家屋調査士会第1回定例研修会-「土地家屋調査士の倫理」講演録(講師 東京高等裁判所部総括判事(当時)加藤 新太郎先生)からの抜粋です。

 久しぶりに年次研修担当講師として、ひととおり読み直しました。

『専門家である調査士は幾らでも素人を誤魔化すことができます。赤子の手をひねるようなものです。しかし、「そういうことは絶対、我々はしません、そういう階層なのです」ということを対外的にきちんと示す必要があるわけです。』

個別の依頼者に説明…「あなたが希望しておられる事柄については、こういうことをこういう段取りで、このようなスケジュールで業務を行っていきます。そうすると、こういう手続きになって、あなたの希望するところが叶えられます」と説明をする。

 →医療現場で言われている「インフォームド・コンセント」という説明・同意のとり方と同じ構造を持っている〜と。

 専門家と素人の間の圧倒的な知識、情報の格差を埋めるために説明をし、職層として依頼者に、誤魔化したり、いいようにはしないということを打ち出すのが専門職倫理。このような講演でした。

 

 私は、この3年間にわたって愛知会年次研修講師を務めてきました。この11月に、2回にわけた会場開催にて、4年目の講師役。対象者の方々に熱くお伝えいたします。

 倫理に関して、年次研修に限らず、是非とも、愛知会のみなさん、学び続けましょう。