2018年12月25日火曜日

年末のご挨拶




まず最初に、当会は年賀状をほぼ停止させていただきました。この事を、本年ラストのご報告とします。



 平成30年12月。愛知県土地家屋調査士会の各会員の生計は、いかに。

住宅着工は、愛知県の速報でみると、9月末までで累計で12%戸数が増加し、全国の着工件数の▲1.1%を大きく上回っています。(県、あいち経済の動きより)

 と、この原稿を書いている12月25日の午前、東京株式市場が急落し、1年8ヶ月ぶりの安値水準。

1千円超えの下落は久々。



 土地家屋調査士の仕事と株価は連動しませんが、内需にほぼ100%左右される測量、登記だけに、来年以降の景気も気になります。

12月末の個人会員1102名の内、他士兼業なく、単独事務所の方が、出来ればご家族、又は補助職員の支援を得て仕事が出来るような、経済急上昇とまではなくとも、新しい年が明るく始められることを希うものです。



 年末、百田尚樹の日本国紀を読もうと、手許に確保させてもらいました。

 万世一系の天皇を中心に、2000年にわたり独自の発展を遂げてきたこの国。一昨日には最後の誕生日会見にて、思いのこもった陛下のお言葉を聴きながら、30年余の平和の達成を意味する「平成」という元号は、とても素敵だったと思いました。

 来春5月2日から使用される元号を、丁寧に扱っていきたいですね。

西暦は出来るだけ参考程度として・・・。



 本年1年間。この会長の部屋をお訪ねいただき、本当にありがとうございました。

銀行 従来のルール廃止


 平成30年度(2019年4月1日以降)、銀行に金融庁検査官は来店しなくなります。

 銀行臨店検査は、2013年のドラマ「半沢直樹」、銀行員・堺正人 VS 金融庁のオネェ検査官・片岡愛之助が演じていました。

 バブル崩壊、不良債権。1997年の山一證券、長銀の破綻。1998年金融監督庁(現金融庁)が旧大蔵省から独立し、マニュアルは1999年(平成11年)に生まれました。

   債務者区分  1 正常先

          2 要注意先

          3 破綻懸念先(ハケ…と称します)

          4 実質破綻先

          5 破綻先 ・・・・

 融資先の区分に応じた貸倒引当金を銀行は強制させられてきました。回収不能見込額の損失処理を進め、多くの中小企業、個人が見捨てられ、消えていきました。

 そして金融ルールは消え、スルガ銀行のように、自由にアホな融資をすることも各行の裁量に任せます。独自ビジネススタイルで銀行が活躍し、又、自己責任でつぶれる時代が始まります。



 2001年(平成13年)11月27日、シンコーホーム(当時の社長 海部幸忠氏)旧住専債権回収の任意売却事件に、私伊藤直樹は巻き込まれて、13億の負債を肩代わりし、知多信用金庫による、知多半島はJR武豊駅前の分譲建売事業28戸の完売時には、或る意味破綻懸念先とされ、平成19年には十六銀行による融資ストップ宣言を受けて、当時の日本土地家屋調査士会連合会、及び愛知会役務の全てを退任する事態も経験してきました。

 この金融マニュアルによって容赦なく区分されたのです。

 現在、10年経過した私は、愛知県土地家屋調査士会の会長職を務め、35年間の銀行借入過多を、元気に、前向きに取り組み続けています。

(旧)東海、富士、太陽神戸の3行から平成3年にトータル13億の根抵当権設定を、父の不動産に登記をして以来、30年余のマニュアル関係人生です。



 負けてたまるか!?で、この先に走り続けます。

保管登記官



自筆証書遺言(民法968条)は、416ヶ所の法務局(本局50、支局261、出張所105)にて、平成32年(2020年)7月10日(金)から、保管官がお預かりします。



 封筒に入っていない状態で、作成者本人の確認をして、磁気ディスクにファイリングします。

 相続登記の促進と、所有者不明土地問題の解決の一助となることが考慮されています。



 遺言者が死亡している場合に限り、遺言情報証明書の交付が請求でき、自己が関係相続人等に該当することを証明して、遺言書の閲覧を請求することができます。遺言執行者も証明書の交付請求ができます。

 重要なのは、遺言書保管官が証明書を交付、又は閲覧させた時には、その他の遺言者の相続人、受遺者及び遺言執行者に対し、保管している旨を通知するというルールです。死亡した事実、通知先の把握、そして速やかに通知する仕組みは画期的です。

 この情報証明書とは別に、遺言書保管事実証明書の交付が、死亡していれば請求できます。逆にいえば、関係遺言書が保管されていない旨の遺言書保管事実証明書が交付されることもある訳です。

民法1004条による自筆証書遺言書の家裁による検認は適用除外となり、又、若干の手数料(適切な額が定められるとのこと)

 遺言について、イギリスでは、聖職者の面前にて、臨終の際、懺悔(ざんげ)のプロセスの一部とされ、罪を赦す前に魂の救済のため、その財産の一部を教会や貧しい人々に寄付する遺言を遺すことを進めていたといいます。

「Intestacy」=「無遺言死亡」~遺言を遺さずに死亡することは、魂の救済を受けずに死ぬことを意味し、聖地への埋葬不可。財産を領主に没収される、不名誉且つ忌むべき深刻な事態であったとのこと。2014年10月のイギリス弁護士会の報告によると、55歳以上の者の64%が遺言書を作成しているとされています。(by 民事月報 P3遺言大国より引用。民事局 竹下慶氏)



 あいち事務所では、公正証書遺言の作成を、ほぼ均一料金25万円セットで現在も推奨しています。今後、法務局の遺言書保管官が外形的な自筆証書遺言の要件確認をしたとしても、遺言執行者の定め方、もしも相続の順番が親、子、孫で違ってしまった場合の予備的な継承項目の定め方等、生兵法は危険です。公証人関与の遺言同様に金融機関が受け止めてくれるか否かも不明です。要件がひとつでも欠けていれば、直ちに争族です。

 何も書き残さなかったよりも、更にバツの悪い遺産分割協議をまとめなければならなくなります。専門家の関与なく遺言書を書けというには、日本の税法、民法は複雑すぎます。

 イギリスでも、遺言があったとしても、紛争は絶えないといいます。

2018年12月21日金曜日

あいちシンポ間近


 来春1月15日、あいち境界シンポジウムは、「減災と狭あい道路の解消」をテーマに、名駅前ウインクあいちにて開催します。

 土地家屋調査士として社会貢献を考えた場合、建築基準法に拠る4m以上の道路接道がなければ住まいが建てられないという防災ルールを、敷地確定測量を受託した都度、隣接土地所有者も含め、少なくともセンターラインからの道路後退ラインを示すところから回避してはいけない。


 このシンポは、幾度も機会あるごとに「私達の不作為による人災」を引き起こしてはならない、土地家屋調査士の日常問題を訴えてきたものです。

 完全な防災を行うことは出来ません。過去の天変地異、特に巨大地震を前に、人は無力なものです。しかし、阪神淡路の事例を語られる神戸の藤原光榮さんからは、「長田区だとかは、地震直後に出火した火事でみんなやられたんだよ。消防車も入れない道がアカンかったんや。」と、狭い道が減災の最大の敵だった経験を教えていただけます。
 狭い道が十分な緊急車両の通行を妨げなければ、現実に、その1人の命は救われたのかもしれない。
 
 全国に多くの狭あい道路があり、原則、再建築不可の新築工事が行われる都度、私達は加担しています。
横井議員さんからは、「この件に手をつけ始めると、永遠に大変なことになるよ」と云われ、
基調講演をいただく福和伸夫教授からは、「君もこんなとこに住んでいたら、即アウト!」「水没だな。」と一蹴。

 火事は人災。津波は天災。
 手をつけるべきところから、地面と素直に向き合う私達でありたいと思います。
 
 ノーモア 狭あい。

2018年12月11日火曜日

私事。ご報告


私事ですが、平成26年1月の喉頭ガン宣告受けて以来、丸5年ラストのペット検査をうけました。ガン細胞があれば画像に黒点が出る。転移していたならば、現在の肩書、職名を再考せねば。



 昨日の朝10時に良好との判定。

ひとまずホッとした表情を見すかされ、「ワインもほどほどに。次回はもう放射線治療は出来ませんからね。」

 喉元過ぎれば・・・ではないようです。



自重しつつ、今後共、愛知会、そして土地家屋調査士制度を生きる者として、健康にも感謝し、役務に励んでまいります。

2018年12月5日水曜日

変則型登記所有者探索とは?


12月1日。東京での地籍問題研究会を、日大法学部校舎で聴講してきました。

かつての法務省民事局長の清水湛様が着座される後列にて、法務省民事局民事第二課 村松秀樹課長からの講義。

その後の国交省 横山征成大臣官房参事官、上森康幹住宅局住宅総合整備課住環境整備室長の3名より、所有者不明土地、空き家問題を、どのように現在の日本政府が対応しているのか。政府与党や多くの実務家の関与。



「所有者不明土地等問題について」 報告者 村松秀樹氏

「所有者不明土地問題について」 報告者 横山征成氏

「空き家問題等について」 報告者 上森康幹氏



日大法学部准教授研究会幹事の矢田尚子様のまとめ方はとても素晴らしかったです。総括という事なので、ひと言で総括を私直樹も言わせていただきます。



日調連を批判するものではありません。

所有者不明の国策の施策の中で、土地家屋調査士が関与できるのは、唯一表題部所有者の変則型登記解消だけと。

二課長様からも期待の声をいただきましたが、内容は、字持ち。記名共有地の解消なので、これはいみじくも、公図、旧図の調査能力が必要!?表題部所有者の更正なので、土地家屋調査士なのでしょうか?

地図、関係ないですよ。表題部欄に書いてある内容を更正していける能力は土地家屋調査士にあると、即は、思えません。

 であれば、戸籍収集から職務請求権の多用。勉強をするように全国の仲間に、指示、伝授しなければいけないのに、当然、当業界にくるような説明。駄目です。



この解消に携われるには、登記官の所有者調査の外注=所有者探索委員となって働く事がテーマです。

各種台帳の調査、占有者、関係者から現地で聴き取りをすること。実地調査(?)、これは何をするかよくわかりませんが、要はこの委員となって土地家屋調査士が法務局職員のサポートをすることになれる機会が生まれます。

出来なければ、司法書士、弁護士が次回から登場されて、私達ははずれてしまいます。





愛知会としても、この所有者探索委員となれるような研修を至急始めないといけません。としているけれど、日調連からは何も指示はありません。